マンガみたい
ななのマンマは、四回ほど替えている。
二回目に替えたマンマちゃんは、軽いパフ状のものにした。
だが、これを選んだ自分を罵ってやりたかった。
計量カップに適量を入れ、目の前で少量づつあげる毎朝の光景のはずだった。
最初は普通に食べていたのだ。
突然、動きが止まり、硬直し、そのまま横倒しになった。
最初は何が起こったのか理解出来なかった。
倒れたななを触ると冷たくなっていた。
マンマちゃんが喉に詰まったのだと分かり、マンマちゃんを吐き出すまで背中をバンバン叩いた。
ななの口からマンマちゃんの塊が飛び出すと、温かみが戻ってきた。
ななもキョトンとして、何事もなかったかのようにマンマちゃんを要求してきた。
このマンマちゃんしかなかったので、さらに少量づつを細心の注意を払って食べさせはした。
食べている姿を見守っている間、先程の光景を思い出していた。
運良くマンマちゃんが飛び出てくれたおかげで、急速に体温が戻っていく様は、まるでマンガのようだった。
食べ終わったななを見ながら、ドッと冷や汗が吹き出し、激しい動悸で倒れそうになった。
この後、速攻でこのマンマちゃんを捨てたことは言うまでもない。