腐っても、抗がん剤
退院後、いよいよ治療が開始する。
抗がん剤は十回。隔週一回づつ、注射を打ちに行く。
あとは飲み薬を三日に一回のペース。
最初の数回の注射では、さほど体調の変化はみられなかった。
でも、回数を重ねていくと病院からの帰り道、ななはとてもダルそうな様子をみせるようになった。
でも、食欲はいつもと同じだったのが、救いだ。
最後の抗がん剤を打ち終わった頃には毛並みも心なしかパサついて、毛量も減ったように思えた。
先生いわく、
「副反応は、ほぼ、ないよ」
とは言われていたのだが、やはり、腐っても抗がん剤だった。
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