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骨になっても、なな

 ななが死んでから夜が明けるまで、家族とななの話をした。

 動物病院が始まる時間に、挨拶を兼ねて棺を貰いに行く車中、ななの話をしながら泣いていた。

 棺に入れる頃には、ななの躰は硬直していた。

 花を買いに行き、マンマちゃんやおやつを棺に入れ、ペット寺院で葬式を執り行うときも、ハンカチが手放せない。

 家族で話をしては涙を流し、お経をあげてもらっている最中も涙を流し、この日はずっと泣いていた。

 火葬される前に最後のお別れの時間を貰い、躰を撫でながら声を掛けた。

「お時間です」

 小さな火葬炉に入れられて、扉を閉めた数秒後、炎に包まれた。

「あっ……」

 もう二度とななは戻ってこない。

 火葬が終わるまで別室で待っている間も、ななの話をしてはみんなで泣いていた。

 一時間後、骨になったななと対面した。

 抗がん剤治療をしていたのに、細かな骨まで残っていた。

 上下の歯まで残っていたのだが、病巣らしき黒い塊も残っていた。

 頭蓋骨もきれいに残っていて、

「骨になっても、ななちゃんだ」

 泣きながら笑った。

 どんな姿でも分かるのだ。

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