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講習で行わない包帯法
日 時:2025年2月13日(木) 19:00~21:00
場 所:日本赤十字社新潟県支部 1F ボランティアルーム
参加者:7名
こんにちは&こんばんは。新潟市分団の「中の人」Nです。
少し時間が過ぎてしまいましたが、先日行われた新潟市分団の研修の様子をお届けします。今回の研修は、この時期に毎回行っている「講習で行わない包帯法の実技」です。
講習で行わないのに、なぜ毎年毎回この研修を行っているのか?という方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこれ、新潟市分団の活動に起因するものです。
赤十字救急法は日常の応急手当であり、これを普及することが新潟市分団の一番の活動なのですが、その他に臨時救護活動もあります。これは「新潟シティマラソン」や「いわむロックフェスティバル」「新潟まつり」での救護活動のことを指していますが、こういった臨時救護活動では当然ですが講習と違い、いろいろな傷病者の方々が来られます。
その際に「講習でしていないから手当は出来ない」ではいけません。このために、分団員を対象に「講習で行わない包帯法の実技」を行っているというわけです。
今は年度末の時期。来年度(4月以降)の活動を決める時期に来ていますが、実はこの時期には新潟市分団としての大きな活動は、おおよそ予測が付いて決まっています。その臨時救護活動に備えて、この時期にこういった内容の研修を行っている、というわけです。それでは今回も研修の内容を見てみましょう!。
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まずは大腿部の包帯です。基本的には下腿の包帯と変わりませんが、違うところは下腿と違って太いので、しっかりと巻くコツが違うということ。しっかりと巻かないと止血効果も得られませんし、何より傷の安静につながらず、苦痛の軽減となりません。やはり、下腿の包帯と基本的には同じと言っても、練習しておかないといけないと言うことを、参加者の方々は学んでいました。
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これは下腿の包帯です。見て頂くとおわかりいただけるかと思いますが、下腿にきっちりと密着していますね。こういった包帯は傷の安静にも繋がりますし、見ていて非常に気持ちいいですね。手当されている傷病者の方々もきっと気持ちいいはずです。これにはやはり練習しかありません。
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今度は前腕の包帯法ですが、これは少し違っていて「前腕B」の包帯法です。実は前腕の包帯法には2種類あり、講習で行う前腕の包帯は「前腕A」、今回、画像で紹介している包帯法が「前腕B」です。この「前腕B」の包帯法は「前腕A」の包帯法と比べると若干締め付けが弱く、止血と傷の安静と言うことを考えると、やはり講習で行う「前腕A」の方がしっかりと固定できます。この「前腕B」の包帯法は保護を目的とした場合に有効かもしれません。
こういったことも、実際にやってみないとわかりません。それがわかっただけでも、この研修は成功と言えるでしょう。
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今度は臀部(局部)の包帯法です。この包帯法、実は傷だけではなく災害時のパンツの代わりとか(もちろん応急的なものですが)、使い方によってはおむつの代わりにもなったりします。手当しているのは分団のS委員長、手当されているのは「中の人」Nです。
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通常の胸や背中の包帯法では左半分であったり右半分であったりしますが、これは全体をカバーできる包帯法です。但しこれも三角巾が密着しないので、傷に当てる「あてもの」に分厚いものを選ぶなど、工夫を凝らさないといけませんが、しっかりと手当出来るのもまた事実です。
当たり前の話ですが、臨時救護などの場面では、すべての傷病者の傷が教本通りとはいきません。あらゆる傷を手当出来るように。手当することで可能な限り苦痛を軽減できるように。赤十字の基本理念である「苦痛の軽減」を目指して、研修の内容を組んでいます。このように新潟市分団では応急手当や防災など、様々な研修を常日頃から行っています。
救急車の到着時間が年々遅くなっている中、日常の応急手当や災害時でも、人間の命と健康を守り苦痛を軽減すること。これを私たち一般市民でも可能にする救急法に挑戦されてみてはいかがでしょう?。
そして、ぜひ奉仕団に入団していただき、一緒に活動していきましょう!。
(中の人「N」がどんな人か見たい人は、ぜひ新潟市分団へどうぞ(笑))
万が一の時の一次救命処置、急病やケガ、災害時に役立つ救急法。
新潟県赤十字安全奉仕団新潟市分団では毎年春と秋の2回、「救急員養成講習」を、夏と冬には心肺蘇生・AED、気道異物除去など一次救命処置を学べる「救急法基礎講習」を開催しています。また、新潟県内の各地でも、それぞれの地域の分団が救急法等の講習を開催しています。
受講を希望される方は、日本赤十字社新潟県支部のWEBを御覧ください。
また、新潟県外にお住まいの方も、それぞれの都道府県市区町村で、救急法等の講習を絶賛開催中です。詳しくはお住まいの都道府県の日本赤十字社、各支部のWEBをご覧いただくか、お問い合わせください。
こういった応急手当をきちんと受講すること、それは少し勇気が必要になることですが、非常時にはそれがきっと、周りの人たちへの大きな力と助けになるはずです。皆様の受講をお待ちしています!。(N)