分散投資の重要性(株式を安く買う堅実な投資戦略)
投資で成功し、大きな資産を築きたいのであれば、「アセット(株式、債券、不動産、コモディティ)を安く買って、高く売ること」だ。
言葉で説明することは簡単だが、結果を出すことは実に難しい。
しかし、投資の世界に約20年間身を置いてきた凡人投資家(私)の経験則から導き出すと、「分散投資(アセットの分散)」こそが、最大のリターンを得るための近道であるという結論に至った。
私は、株式と債券の2つのアセットにしか分散が出来ていないが、債券への投資を始めてからは、将来の資産形成において確実な手応えを感じているところである。
実際に、先月、日経平均株価が先週末比で4,451円の大暴落に見舞われた時も、保有する債券が大きく上昇したことで、分散投資がいかに重要であるかを身をもって感じた。
私の金融資産の約63%は、全世界株式インデックスファンドで占めている。
資産の約6割がドル資産だ。
円高が進めば、株価が上がっても資産が目減りする可能性がある。株式の分散資産となる米国債券にヘッジを掛けるという戦略は理に適っていると言えよう。日本人がアセット分散として米国債券の保有を敬遠している主たる要因は、米国債券から得られる利益が為替によって相殺されてしまうことだ。「日本人は米国債券では無く日本国債を保有するべき」という主張は真っ当だ。しかし、日本国債の利回りが低いことを考えると、コストを払ってまでETFや投資信託を購入するメリットは残念ながら小さい。流動性だけを考えれば、現金(日本円)を保有するだけでも、全世界株式インデックスファンドに対する分散と言えるだろう。
<私の考え方>
① 米国債券ファンド(ヘッジ無)
為替の影響を強く受けるため、円高になると想定していたリターンが得られない。
②米国債券ファンド(ヘッジ有)
為替の影響は受けないが、ヘッジコストが嵩む。しかし、円高局面ではヘッジコストが下がる。
③ 日本国債ファンド
為替の影響は受けないが、利回りが低いためコストで相殺される。
④ 現金(円)
富は生まないが、流動性が非常に高い。
※ 米国債券、日本国債の現物に関しては、売買の煩わしさから、私は投資を検討していない。分散投資という考え方であれば、売りたい時すぐに現金化できた方が良いと私は考える。
全世界株式インデックスファンドの分散として考えると、為替リスクは取りたくないというのが私の結論だ。
つまり、②米国債券ファンド(ヘッジ有)、④現金(円)への分散が私にとって最適となる。
全世界株式インデックスファンドと債券(又は現金)の分散が完璧とは言い難いが、この2つのアセットを保有するだけでも、十分に暴落時の備えにはなる。分散効果が発揮されるのは、リスクが高い株式が不調の時だ。
株式が暴落した時は、自ずと債券(又は現金)比率が上昇する。株式が安い時に購入できる願っても無いチャンスだ。債券を売って(又は現金を投資に回す)積極的に株式を買っていく。この投資戦略を、「リバランス」というが、株式を安く買う最も堅実な手法となる。
世界経済の予測など不要だ。
米国が政策金利の誘導目標を0.5%引き下げたが、大方の予想に反して、円安ドル高に進み、株式は上昇に転じた。コロナ禍以来4年半ぶりの大胆な利下げとなったが、既に市場は織り込み済みだったということだろう。短期的な為替や株価の動向を予測することは凡人投資家(殆どの個人投資家)にはまず不可能だし、経済評論家のコメントも後付けでいくらでも意見が変わる。
凡人投資家が、安く株式を買う最も堅実な方法は、株式と債券(又は現金)の比率に着目するだけで良い。債券比率が想定以上に上昇した時には、株価が下落していることを意味する。その時が、まさに買い時だ。
今、私が保有する債券資産は含み損を抱えているが不安は全く無い。株式が上がれば上がるほど機会損失と揶揄されるかもしれないが、バイ&ホールド(買い増して保有を永続する)戦略を貫く株式資産が暴落した時に、いつでも追加投資が出来る準備を整えておくことが、最大のリターンを叩き出すチャンスがあると分かっているからだ。
将来、資金に余裕が生まれたら、「不動産(リート)」「コモディティ(金)」などのアセットへの投資にも挑戦したいと思っている。
しかし、株式と債券の分散だけでも、十分に資産運用の安全運転に繋がっており、順調な資産形成が図れていると自負している。
暴落がいつ起こってもドンと構えることが出来るようになれば、個人投資家としてのスキルが及第点に達したと言えるのかもしれない。
日本人にとっては、米国債券は為替というリスクが付いてくる分、完璧な安全装置とは言えないかもしれないが、著者の考え方に私は強く共感する。