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目的論的世界観のイメージ

「目的因が世界を動かす」というお話をさせてもらいました。あのダイナミックなイメージはまさに目的因が持つエネルギーをリアルに伝えてくれています。

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アリストテレスの形而上学の中には、可能態と現実態という概念があるのです。可能態のことをデュナミス、現実態のことをエネルゲイアといいます。デュナミスはダイナミックの語源、エネルゲイアはエネルギーの語源となっています。

そこには物事が具現化しようとするときのダイナミズムとエネルギーが明確に現れています。可能態と現実態については追々お話していきます。

話を戻します。「Whyから始めよ」のサイモン・シネックは事業家なので、目的因志向の事業家であるとは思いますが、事業の成功が暗黙の目的だと推定されます。

サイモン・シネックの人となりがよく分かりませんが、事業の成功を究極の目的として、制度設計していくところで、目的因を手段として利用しているイメージがしました。

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目的論的世界観とは、そういうものではありません。それそのものが目的となり、目的を憧れ、ついついそれに惹かれてしまうというものです。

マルタとマリアのお話を以前いたしました。ついついイエスの話に聞き惚れて没頭してしまうというあのイメージです。

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目的論的世界観が私たちにとって馴染みにくいのは、機械論的世界観に慣れきってしまい、自己の狭い目的意識に引きつけすぎて物事を考えてしまい、学問や真理、あるいは宗教ですらも、何らかの目的を実現するための手段として捉えてしまっていることが多いからだと思います。

私が言いたいことを先取りすると、私たちにとって目的論的世界観を取り戻すことは必要だと思います。しかしながら、機械論的世界観に慣れきってしまった私たちにとってそれをそのまま導入することもまた困難を伴います。

そのためにアリストテレスから順を追って学ぶということが大切です。少しずつアリストテレスの話を追っていくこととします。

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