Vol.10① 法学徒の手探り 〜2016年初頭、本郷〜
法学部「履修の手引き」
佐々木(以下略) だいぶ本題からそれてしまいましたね。
今どこにいるのかわからなくなりました(笑)。
3年生の冬学期になって、高齢者法やロシア・旧ソ連法を履修されて、というお話からロシア文学のお話になって、そこから、駒場時代に学ばれたロシア東欧や中国の農村のお話になって、プチ留学のご体験や翻訳や辞書のお話に広がって……(笑)。
それたお話もとても面白いのでいくらでもなさってください!
ありがとうございます(笑)。
そうでした。
3年生の冬学期ですね(笑)。
履修したのは高齢者法、ロシア・旧ソ連法、憲法演習でした。
ここでそろそろいろいろ単位を取っていかないと、特に必修の負債をなんとかしないと、さすがにまずかろうと思い始めました。
なんせ、3年生の夏学期が終わった段階までに取れていた法学部の単位は、(卒業要件の)90単位中、18単位だったんですから!
※現在の制度では、卒業要件単位は80単位となっています。
普通は、というのも変ですが、他の学生さんはここまでで何単位くらい取られているものなのですか?
私のいた(当時の)第1類だと、3年夏学期終了までに取ることを想定されている科目は、政治学、憲法第1部、憲法第2部、民法第1部、民法第2部、民法基礎演習、刑法第1部、商法第1部、行政法第1部、英米法、ゼミ、でした。
※英米法は、「英米法・フランス法・ドイツ法から1科目(以上)選択」という準必修科目です。
これらは全部必修(または準必修)科目で、単位の合計は、
………………(計算中)………………
………………(計算中)………………
………………(計算中)………………
38単位?になりますかね。
※これらの科目のうち、憲法第2部、民法基礎演習、ゼミは2単位です。
ここまでで佐々木さんが取られていた18単位というのは……?
選択科目も入れての18単位です。
この38単位の中では、刑法と民基礎と英米法の合計10単位しか取れていませんでした。
この後の3年冬学期の必修科目を含めて必修はトータルで50単位なんですけど、それだけだと卒業要件の90に満たないんです。
だから、なんにしてもあと40単位分は、いろいろ選択科目を取らないといけないんですね。
なるほど。
ということは皆さん、必修科目以外に選択科目も同時に取っていかれるわけですね?
そうなんです。
選択科目は、法律系だと夏学期には刑法第2部や民法第4部がありますし、他にも法制史とか国際法とか。消費者法や社会保障法みたいな特別な法とかも。
政治系や経済系の科目もたくさんあります。
だから、必修に加えて適宜いろいろ取っていくわけですね。
周りを見ていると、1学期に20から28単位くらい取る人が多かったように思います。
2年生の冬学期と3年生の夏学期を合わせて、多い人だと60単位近く取れてたりします。
もっと多い人もいましたし。
とにかく、卒業までには必修の科目を全部取って、かつ全部で90単位以上にならないといけないということなんですね?
その通りです。
ちなみに、卒業要件は、「卒業までに」必修を含めて90単位(当時)ということなので、何年生で何を取ってもいいんです。
だから、私のように、2年生の配当科目を3年生や4年生になってから取ってもOKなんです。
とにかく卒業までに揃えられれば。
そういうことですか!
それなら学生さんは自分である程度自由に学習の計画を立てられていいですね。
そうですね、そこの自由度がわりとあったのは助かりました。
だから私も、どう勉強していいかわからなかった必修科目を後回しにして、必修でないけど単位の取れそうな法社会学とか会計学とかを取ってました。
それらを合わせて、法学部の科目で取れていたのがここまでで18単位でした。
でも、実はこの他に他学部の単位も10単位取ってたんです。
▲ 法学部・3年生夏学期までの成果
「ロシア東欧表象文化論」は美術館での芸術鑑賞があった授業で、「専門英語」というのは中国の農村についてのコミュニティ・スタディの文献を英語で読む授業、「英語教授法・学習法概論」は英語の勉強法について熱いレポートをお書きになったという授業ですね。
※それぞれ、インタビューVol.7③、Vol.8、Vol.4③ 参照
そうですね。
そして「近代文学特殊講義」というのは柴田元幸先生の翻訳と購読の授業です。
※インタビューVol.9② 参照
「科学技術社会論II」というのも取られていたのですね?
そうでした!
ロシア東欧や専門英語と同じく、これも(後期)教養学部の授業です。
これら他学部の科目は、法学部の卒業要件90単位の中に、12単位まで含めることができるんです(当時)。
なので、私の場合は(18+10=)28単位は3年生夏学期までの取得単位だったということです。
ああ、それは安心ですね!
いやあ、それでも取れてる単位は他の多くの3年生よりはるかに少なかったですからね。
それに、第1類(当時の私法コース)の学生なのに、この時点までに実定法が刑法ひとつしか取れていないというのは、なかなか気が引けるものがありました。
※私法コースには法曹を目指す学生が多く、憲法・民法・刑法・行政法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法という実定法が必修科目に含まれています。
そういえば、私法コースはその後名前が変わって、今は「法律プロフェッション・コース」というんですね。
法律を職業に、というような意味なんでしょうか。
でしょうね。
でも「プロフェッション」って言われても意味がわかりにくい気がします。
それに、見た目が長いし音声的にリズムもよくない(笑)。
「フェッ」のあたりが特になんかこう、力が抜けませんか?
「ふぇっ?」って(笑)。
個人的には、伝統がある「私法コース」という名前の方が毅然として重厚な感じがして好きでした。
いえすみません、いらんことを。
法学部大好きです(笑)。
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お読みいただいてありがとうございます。
次回に続きます!
Vol.10② 法学徒の手探り 〜2016年初頭、本郷〜
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