Future Scenarios:未来を予測する
前に書いた記事から気づいたら1ヶ月以上経っていました。
危ない。書くという行為は不思議なもので、定期的に書いているときはどんどん書けるのに、間が開くと全然書けなくなっている。たぶん「自分は書ける!」っていう自信がなくなっているからなのでしょうか。
まあそれは置いておいて。今回もクリエイティブビジネススクールのHyper Islandの授業がひとつ終わったので、それについて書いていきます。
いままでの体験記は下記にまとまっています。
さて、今回はFuture Scenariosという授業で、タイトルの通りいくつもあるような未来のシナリオをどう予測して、どうビジネスに活かしていくか、という授業でした。
6つあるモジュールのなかで5つ目にあたるもので、グループワークを伴うモジュールとしては最後のモジュールになります。
未来予測は受け身をどうとるかという話な気がした
毎度のことながら、一方的に知識を詰め込まれる一般的な授業がリッチにあるわけではなく、「こんなテクニックとかあるよー」と浅く紹介されたあとにすぐ実践になるので、専門的な知識が身についたとは言い難いです。ただ、授業の内容としては非常に面白く、学べることも多いモジュールでした。
未来の予測にはとにかくいろんなフレームワークがあって、基本的には幅広く自分の業種に関連するような情報をとにかく集めまくった上で、そのフレームワークにはめていく、というものが多かった印象です。
例えばHorizon Scanningという手法では、下記のような5ステップで未来の予測を進めていきますが、ここでも情報収集がスタートになっています。
情報収集のあとで、PESTELだったり、Macro/Meso/Microといったフレームワークに情報をマッピングしていき、それらの時間軸やトレンドを見極める・・・というのはどのフレームワークでも一般的な流れですので、どのような情報を集めるか、はキモですし時間がかかるところです。
集めた情報はもちろんなるべく正確に、第三者的な立場で扱いつつ、それらをロジカルにかつフラットに吟味しながら、未来を予測するのが好ましそうですが、情報が膨大になっており、いろいろなモノコトの変化がすさまじく速い現代では、現実的ではないでしょう。
そこでますます重要になってくるのは、人の意思だと強く感じました。未来をどうしたいかという話だけではなく、例えばAIがどんどん加速していったときに、自分たちの事業はどうなっているべきなのか、どんな価値を社会に提供しているか、という観点です。
その意味では、未来予測自体の意味は、(もともとの目的であった)正しくくるべき未来に備えておく、というよりは、どんな未来がきたときにでも自分たちの事業の北極星をぶらさないように、自省をするための機会だとも言える気がします。
メンバーモチベーションがないなかでどうするか
冒頭に書いたとおり、今回が最後のグループワークでした。最初のグループワークでは気合いが入りまくっていたみんなも、最後のモジュールでは息切れしていたような感じで笑、メンバーに恵まれなかったわけではないですが、一番話し合いも少なく、そこまで成果物のクオリティについても貪欲でなかったような印象を受けました。
今回のクライアントはアイスランドの医療機器メーカーで、アイスランドでの病院やクリニックでのシェアはほぼ100%という企業です。今後ヨーロッパでも高齢化が進んでいくなかで、またAIやIoTの進化が進んでいくなかで、どのように医療の未来を作っていけばいいかというのが依頼の概要です。テーマが大きくて、まあまあ面白いですよね。
とはいっても、グループメンバーのモチベーションがそこに向かっていなかったので笑、僕らは自分たちが少しでも興味がありそうなアプローチで未来予測をすることにしました。
面白いこと、他のグループがしないことをしたいという気持ちだけはみんなあったので、スペキュラティブデザインに基づき、15minのショート動画の作成をすることに。
医療業界はいろいろな法規制上のハードルも高く、不確実性が他の業界よりも高いのは言うまでもありません。最先端技術を活用しすぎても、活用しなさすぎてもメリット・デメリットが大きく、それぞれのシナリオを示す必要がありました。
我々の動画では
医者が不足する。ただウェアラブルデバイスなどからの情報で、自分の健康状態は管理でき、病院はそのデータを元に診断を下すシステムセンターになる。薬はドローンで届く。
その結果、在宅介護、在宅治療がメインに。病気をキュアするよりもケアする時代に。病気がありながらも健康でいる、という状態を政府も推奨するようになる。
一方システム化で基本的にマジョリティは恩恵を受けるが、マイノリティは例外扱いをされがちになってしまう。そこをどう拾えるか?
のようなことを背景に、マジョリティにシステムを適応させすぎたあとで、マイノリティの方々にどんなことが起きえるか、ということを悲観的なシナリオとして上映しました。
私自身の役割は、Midjourneyを使ってそれぞれの場面にあった画像を文字通り死ぬほど作りまくることと、最後はややプロマネのような感じで、予定通り終わってないタスクをこれでもかとお尻を叩く役割、でした。笑
最終的にはなんとかなったものの、本当に動画が出来上がったのも発表のギリギリ前で、一部のメンバーは諦めて動かなかったりで、最高にストレスフルでしたが、まあこれも文化の違う人たちと働くという学びなのかな・・・と。
これを言ってしまうと元も子もないですが、やっぱりやる気のないメンバーは他のメンバーのやる気も下げます。やる気のないメンバーのやる気をあげていくよりは、辛辣ですが、その人の影響力をいかにチームのなかで低くできるか、が特にプロジェクト型で動く場合は重要だな、というのが悲しくも大きな学びでした。
ちなみに僕は別で消化不良感はあったので、未来予測自体を簡素化できる生成AIのシステムとそのフローを作って、提出しておきました。
そして今回も評価としてはDistinctionをいただくことができ、これでいままでのモジュール全てでDistinctionという評価に。
おい、ちょろすぎないか?と思ったりもしますが、みんながみんないい評価というわけではなさそうなので、一応いい評価をしてもらえていると言うこと自体は嬉しいことです。
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