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結局Hyper Islandとは何なのか? 何を学べるのか?

(おそらく)Hyper Island体験記も終盤の方になってきました。体験記まとめは下記に。

今回の記事では、7ヶ月ぐらいHyper Island Journeyを体験してみて、自分なりに理解してきたことを書きます。もしかしたら読者のなかには、僕がいま受講しているHyper IslandのMA Digital Managementコースを検討している人もいるかもしれないので、その人たちの何かになればいいな、と思いつつ。

"Digital"って入ってるけど、取り合えずそれは忘れたほうがいい

デジタル版ハーバード、と言われたり、コース名にも"Digital"と入っているので、何かデジタルのことが学べるのかなーと思うと、まあそうでもないです。ちょっと肩透かし感はありますが。

他の記事でも触れていますが、Hyper Islandのモジュールはリアルなクライアントの課題をグループワークで解く方式になります。どのようにその課題を解くかがモジュールによって制約が違う、という感じです。
そのモジュール自体は、デジタルを意識したものではありますが、クライアントに提案するソリューションはデジタルだけに制限されていません。
もちろん、リモートでグループワークをするわけなので、おのずと提案する内容やプロトタイプするものも、デジタルに寄ってはきます。また、いまデジタルをまったく考慮しないソリューションもないと思うので、どんな提案であっても何かしらはデジタルに触れることにはなるでしょう。
ただ、デジタル特有の事象を扱うかというと、そんなことはありません。デザインシンキングとアジャイルプロトタイプを軸としながらも、いま社会に求められる課題を解決できる人材をとにかく実践形式で生み出すっていう感じです。

ただこの「実践形式」という言葉には、何かを手取り足取り教わったり、という要素は入っていません。文字通り現場に「はい!あとはよろしく!」ってプッシュされるだけです。

グループプロジェクトを通して「学ぶこと」を学ぶ場所

じゃあ何を学べる場所なのかといいますと、ひとことでまとめると、Hyper Islandとは「グループプロジェクトを通じて『学ぶこと』を学ぶ場所」です。おいおい、デジタルだのデザインシンキングだのどこに行ったんだね? という感じではありますが、僕のなかではいまこう結論づけています。

一番最初の体験記でHyper Islandに求めることとして「学ぶための基礎体力をつけたい」と書いていましたが、結果的にそこに戻ってきた形となりました。当時思っていたものとはちょっと違うけれど。

入学してから7ヶ月で、いままで4つのプロジェクトをチームで行ってきました。こんなに短期間で新しいグループを組んで解散して〜を繰り返したことは少なくともいままでの社会人経験のなかではありません。また、そのすべてのプロジェクトにおいて、一緒に組む相手の専門性も性格もつかめないままに、プロジェクトのゴールだけが渡され、何をどのように解くか、どのように働くかからチームビルドをしなければなりません。

まあ、想像できるようにかなりストレスフルではあるものの、この機会をどうとらえていくかが重要だと最近やっと感じています。というのも「いいグループワークができるか・いい学びが得られるかというのは、誰とチームを組めたかという運に依存するじゃん・・・」とずーっとHyper Islandでややネガティブに思っていたのですが、どうやら違うのでは?と思い始めたからです。

リフレクションを通じた、どこからでも学びを得られるスキル

一般的に学びと聞くと、持っていないスキルや知識を得ること・伸ばすことをパッとイメージする人が多いかもしれません。先生や自分よりもっと知識がある人から何かを教わったり、本を読んだりです。知識の伝達、というふうに言えるかもしれません。

一方で、学びには他にもいろいろな種類があります。対話や体験、失敗などからの学びです。そしてHyper Islandは、これらの学びを重要視しているように見えます。
クラスのなかでは何かあるたびにリフレクションを行うのですが、まさにリフレクションを行うことで学びが深まる領域が、これらの対話や体験や失敗からの学びでしょう。

リフレクションは「反射」「反映」「内省」という意味があり、ビジネスシーンにおいては、通常業務から一旦離れて自分の行動や考え方を振り返り、見つめ直すことです。

Schoo for business | リフレクションとは?企業における重要性と人材育成方法を紹介

知識の伝達系の学びは、Youtubeなどでも多くのコンテンツで溢れているので、好奇心だけあれば常に学ぶことはできます。
一方、リフレクションを通じての学びは、自分自身の思考の癖を見つめなおさないと学ぶ機会が十分に得にくい。ただ、もしそれが適切にできるようになれば、いつでもどんな環境でも物事を自分の学びにする能力がつくとも言えますし、Hyper Islandのカリキュラムは、ここをずっと掘り下げているように見えます。


「『学ぶ』ことを学ぶ」と書きましたが、そのリフレクションを通じての学びの最大化をするためには、他の人のフィードバック・きづきや、それらが有意義になるためのグループ内の多様性が必要不可欠です。だからこそ、グループワークに重きが置かれているような気もしますし、そう考えると全てが繋がってくる感覚があります。
ゴールは与えられていながらも(それも抽象的だけれど)、そのプロセスをどう組むかは個人とチームに任されていて。いろんなプロセスのなかで自分で感じたこと、他人が感じたことをリフレクション・シェアしながら、自分の糧にする。それがいい経験であっても悪い経験であっても、自分の学びとしては何があったのか? 次やるとしたら何がうまくいくのか? 同様に次でもできることはあるか? などなど。
このプロセス設計と、そのプロセスから得られる学びの機会提供をしているのがHyper Islandといえるかもしれません。

そして、どんな状況でもそのプロセスを学びにできるメンタリティを身につけていく。これがHyper Islandの醍醐味なのでは、と最近思っていますし、自分自身でもそこは7ヶ月で身についてきたところだな、と感じています。

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