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『手帖』と手“帳”(7)

『平岡手帖』のクラウドファンディング( https://camp-fire.jp/projects/view/747748 )が4月1日から始まりましたが、最終日の30日まで、毎日、【『手帖』と手“帳”】と題したコラムの連載(ごっこ)をしていきたいと思います。
前回投稿については、平岡の各種個人アカウント(Instagram/Facebook/X)やnote( https://note.com/nozomu_h )を、クラウドファンディング全体の詳細については下記、あるいは @hiraokatecho をご覧ください)

この“コラム”では、

①『手帖』について(特に、現在構想中の3月号を通して、いかに書いているのか)と、

②投稿日当日や前日のこと=私の実際の手“帳”(A5判のコクヨ製キャンパスダイアリー)に書き込まれた、『平岡手帖』4月号として綴られるはずの出来事

の二つを紹介していきたいと思います(特に4月号は、定期購読していただけた方へ初めてお届けする本になります)…

『手帖 3月号』は今、齋藤春佳さんと松本玲子さんの二人展最終日(3月17日)
から初日(6日)、そこから豊島康子展(8日)を挟んで、神保町PARAで行われた石田高大さんのパフォーマンス(22、23日)に差し掛かっているが、今日4月7日に行くのもPARAだ。

そして今日、参加するイベントは『爆睡蓮(バクスイレン)vol.12 Public Double 「あなたと世界との関係 その1」』(https://paratheater.com/fbfbbc597ac54caca4903e422e678167) というものだが、山岡さ希子さんとは、DPPT (Durational Performance Project Tokyo) という企画でご一緒している、先の石田さんのパフォーマンスもその一環に行われたもので、石田さんは6つのサイコロ、大小、色も異なるそれらを計8時間、ひたすら振り続けた。

昨日の、黒瀧保士さんのパフォーマンスに惹かれたのも、デュレーショナルパフォーマンス、すなわち時間をかけたパフォーマンス (時間をかけるということは、とりもなおさず身体を消耗させるということでもある。この「消耗」という言葉は私の創意ではなく、石田さんのパフォーマンスを見た渡辺八畳さん一流の表現だ) について考える機会が多いからだ。

DPの面白さには色々あると思うけれど、ひたすらに反復される何かを見る楽しみのひとつは、刺激に対する“閾値”が下がることのように思う、たとえば石田さんの振ったサイコロは、テーブル上のパネル(絵の支持体に使うものだ)に跳ねてそのまま床に落ちていって、6個全部が落ちるまではそのままだ。
私が気づいた限り、最後の1個として緑の、透き通ったサイコロが残ったことは一度しかなくて、その瞬間、前日からずっと見ていたDPPTメンバーは、おそらく内心声を上げた、それは世界にとってどうでもよいことだが、どうでもよい、小さなことを面白がれるようになっていくことが、美術の方向性のような気がしている。黒瀧さんのパフォーマンスにしても、鏡の上に8回倒れこんだが、頭を出入口側(すなわち二階から見おろした時の右側)にしたのは最初の1回だけで、見るたびに最初の“特異性”が際立つ。

「緑の、透き通った~」前後で8時間ほど経っているのは、『爆睡蓮(バクスイレン)vol.12 Public Double 「あなたと世界との関係 その1」』に参加し、さらにその後、残ったメンバーでベンガル料理を食べに行っていたからだ。今日も『3月号』を書くタイミングがなかったけれど、それはすなわち、『4月号』の充実でもある。(続く)

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【クラウドファンディングはじまります!】

本日から『平岡手帖』定期購読者を募る
クラウドファンディングを開催いたします!

詳細は「平岡手帖」アカウントプロフィールに記載のURLからご確認ください
@hiraokatecho

○『平岡手帖』
○場所:CAMPFIRE
○クラウドファンディング期間:2024年4月1日〜4月30日(予定)
○目標金額:170万円(定期購読者300人)
○企画:平岡手帖制作委員会、ハンマー出版、額縁工房片隅

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『平岡手帖』について。

1年のうち300日以上を美術に出会うために歩き回っている平岡希望さん。ここ数年は、毎年600カ所以上の展覧会に足を運び、その空間とそこにある作品1つ1つを熱心に鑑賞している。その動向はSNSでなんとなく目にしていた。最近では、かなり長い文章で美術との出会いを克明に記している。しかし、平岡さんの全貌は謎に包まれている。日々どんな生活をしていて、どんなふうに動いて、なにを考えているのか。そして、その美術への熱量はどこからくるのか。僕はずっと気になっていた。美術と出会うために、全てを注ぎ込んでいるような人。そんな人が、1人くらいこの世の中にいてもいんじゃないか。いや、いてもらいたい。そして、そんな生き方を応援したい。そんな思いを数人と話しているなかで、平岡さんの手帖を公開して、日々の美術との出会いを記録発信していく『平岡手帖』という企画は面白いんじゃないかという話になった。平岡さんに話してみると、ぜひやってみましょう、という事になった。展覧会とは、オーロラのようなものだ。その時その場所に行かないと出会えない。そして、その一瞬の会期が終わると風に吹かれた塵のように消え去ってしまう。そんな儚い展覧会というもののアーカイブとして、この「平岡手帖」が、もし5年、10年、続く事ができたならば、未来において日本の美術シーンを語るうえでの重要な資料になるのではないかと夢想する。そして、美術に出会うために自らの全てを注ぎ、歩き回っている1人の人間のドキュメンタリー・ノンフィクション小説として読むことも出来るだろう。平岡さんの1ヶ月を1冊の小説のような形にまとめて、それが1年間12冊、毎月送られてくる。今回のクラウドファンディングでは、そんな『平岡手帖』の定期購読をしてくれる人を募りたい。

この「平岡手帖」を定期購読するという事は、少し大げさかもしれないが、美術という1つ1つの小さな出来事を、1人の存在を通して美術史に小さく書き残していく、そんな事への協力になる。ぜひ、多くの方に平岡さんのそんな生き方を応援してもらいたい。

きっと今日も平岡さんは美術に出会うため歩き回っている。こんな人この世の中になかなかいないと思う。だからこそ。ぜひ『平岡手帖』の定期購読をしての応援、よろしくお願いいたします。

(平岡手帖制作委員会_佐塚真啓)

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