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【『手帖』と手“帳”(16)】(美術鑑賞の日々を小説風に綴る月刊誌『平岡手帖』クラウドファンディング 16日目)

「蜘蛛と箒 SNSレビュープロジェクト」の原稿は、その前に『手帖 3月号』で考えていたこともあって昨日一日でほぼ終わって、今日夕方には提出するつもりだ。
今日も一日家にいるので、朝から、滞っていた『3月号』を進める(本来の流れから言ったら10日ぐらいまでに書き終わっていないとまずい)。16日に見た、上野悠河さんの《そのとき言葉は遮られた》、“顔”を近づけあったモニターの間で、半紙(状の薄い紙)が、交互にくっついたり離れたりしている作品から、

24日へとまず繋ぐ。その日は、アーツさいたまで藤村祥馬さんの《Romantic stone》、いつまでも接触できないふたつの石を眺めていた、そこから、同じ会場で見た阿目虎南さんの所作を経由して、

間庭裕基さんの《Liminal Photo》、壁に長年掛けられていた時計?の跡を映した作品(2、3年前に個展で拝見していた)に再会した25日へ、

そして、コーヒーカップの染みが付いた展示台だけが残されていた森山泰地さんの“作品”を見た12日→『手帖』制作会議があった11日→東間さんと一緒に行った千賀健史さんの個展内覧会…と繋いでいってあと4日分で(一応)書き終わる。

それが終わったら、と言うより並行して、展示リストの整理もしないといけない。『手帖』には、大きく分けて「本文」と「展示リスト」があって、縦書きの本文は小説(的なもの)だから正確さよりも流れ、リズムを重視しているが、より詳しく知りたい方向けに、巻末に、引用文献の心持ちで「展示リスト」を付している。今、見本の『一月号』をご縁のあった方にお渡ししているけれど、ある人が、「この展示リストを基に、色々なスペースを巡ってみます」と言ってくれた。10年後、50年後のアーカイブ…的なものを目指しつつ、明日見るものの指針にもなっていけたら、とても嬉しい。

今週中にオンゴーイングへ行くつもりだけど、それが明日になるか、明後日になるかはまだわからない。(続く)

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【クラウドファンディングはじまります!】

本日から『平岡手帖』定期購読者を募る
クラウドファンディングを開催いたします!

詳細は「平岡手帖」アカウントプロフィールに記載のURLからご確認ください
@hiraokatecho

○『平岡手帖』
○場所:CAMPFIRE
○クラウドファンディング期間:2024年4月1日〜4月30日(予定)
○目標金額:170万円(定期購読者300人)
○企画:平岡手帖制作委員会、ハンマー出版、額縁工房片隅

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『平岡手帖』について。

1年のうち300日以上を美術に出会うために歩き回っている平岡希望さん。ここ数年は、毎年600カ所以上の展覧会に足を運び、その空間とそこにある作品1つ1つを熱心に鑑賞している。その動向はSNSでなんとなく目にしていた。最近では、かなり長い文章で美術との出会いを克明に記している。しかし、平岡さんの全貌は謎に包まれている。日々どんな生活をしていて、どんなふうに動いて、なにを考えているのか。そして、その美術への熱量はどこからくるのか。僕はずっと気になっていた。美術と出会うために、全てを注ぎ込んでいるような人。そんな人が、1人くらいこの世の中にいてもいんじゃないか。いや、いてもらいたい。そして、そんな生き方を応援したい。そんな思いを数人と話しているなかで、平岡さんの手帖を公開して、日々の美術との出会いを記録発信していく『平岡手帖』という企画は面白いんじゃないかという話になった。平岡さんに話してみると、ぜひやってみましょう、という事になった。展覧会とは、オーロラのようなものだ。その時その場所に行かないと出会えない。そして、その一瞬の会期が終わると風に吹かれた塵のように消え去ってしまう。そんな儚い展覧会というもののアーカイブとして、この「平岡手帖」が、もし5年、10年、続く事ができたならば、未来において日本の美術シーンを語るうえでの重要な資料になるのではないかと夢想する。そして、美術に出会うために自らの全てを注ぎ、歩き回っている1人の人間のドキュメンタリー・ノンフィクション小説として読むことも出来るだろう。平岡さんの1ヶ月を1冊の小説のような形にまとめて、それが1年間12冊、毎月送られてくる。今回のクラウドファンディングでは、そんな『平岡手帖』の定期購読をしてくれる人を募りたい。

この「平岡手帖」を定期購読するという事は、少し大げさかもしれないが、美術という1つ1つの小さな出来事を、1人の存在を通して美術史に小さく書き残していく、そんな事への協力になる。ぜひ、多くの方に平岡さんのそんな生き方を応援してもらいたい。

きっと今日も平岡さんは美術に出会うため歩き回っている。こんな人この世の中になかなかいないと思う。だからこそ。ぜひ『平岡手帖』の定期購読をしての応援、よろしくお願いいたします。

(平岡手帖制作委員会_佐塚真啓)

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