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擬態

過去絵の振り返り

【擬態】
size 53㎝×46㎝ 
oil on canvas

わたしは それを
"美しい"
と思った

外からどう見えようと
どんなに滑稽だろうと

生命を繋いでいこうとする行為
そのものその全てが
私にとっての
"美"
である

***

この絵は珍しく写実的な絵

山登りをしていたとき
ふと樹の根に目をやると
1匹のボテッとした大きな蛙が居た

そのぴょんぴょんというよりも
グワン、グワワン、ボヨン、と
重々しい感じで移動する存在感たるや。

しばらく眺めてたけど、
樹の根に捕まって動かなくなった

このときは擬態という言葉もとくにピンと来ず、ただただ足を止めただけで
この絵を描いたのも、
なんとなくその時にふと浮かんだからというだけだったけど

何故かそこに生命の美しさ
興味深さを感じた

自然との一体感
風景のようにそこに居ることの不思議
生命の不思議
あなたが先に産まれてきたの?
それとも外の世界が先に在ったの?
そこに居ることが当たり前であるという態度
当たり前のようでいて、
パズルのピースがピタッとはまっているような奇跡感

人間はあれやこれやと道徳や倫理を結びつけ
正しさで戦い、ことを複雑にしたがるが

本当は生命の真理というのはそう複雑では無いもので。

今になって数年前に描いたこの絵を見て
これまでの自分の生き方のようだな、と思う

生きるために自分の色を周りの環境に合わせて
なるべく目立たないように
なるべく存在を露わにしないように
外は危険だから、
敵がたくさんいるから、と
じっと息を殺して生きてきたんだろうな

それは単にそうしないと生きていけなかったからで
それ自体を後悔することもない

よくぞここまで生き延びて
命を繋げてくれましたね
そのこと自体をどんな人にも讃えたい
(ミセスグリーンアップルのソランジの歌詞が頭に流れる笑)

これからは安全な場所で
自分のそのままの色で
安心して生きていこうね

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それからそれから、
私にとって 
これは感覚としか言いようが無いのだけれど
「もう絵は不要」ということばが来ている
とりあえず、
本腰入れた制作は一旦停止になる気がしている

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