8月11日
おととい。LIVE HAUSで9party 一周年スペシャル。去年の11月、さよこさんの富山での展示で歌わせてもらったぶりの生ライブだった。実に9ヶ月ぶり。エレキギターと出来立てほやほやのエフェクターボードを持って。NIGHT PONDOとしてリリースした『Ghotst Town』という曲を初めてライブで歌ってみたり、あとは新曲3曲と『Losing My Heart』。出演者が多くどんどん回す類のイベントだったのでコンパクトなセットリストにした。使う予定にしていたアンプがトラブルで使えなくなってしまい違うアンプに繋いだら音がだいぶごりごりで、サウンドチェックのときに思わず笑ってしまうほど途方に暮れたのであるが、まぁ仕方ないと思いライブをスタート。使うエフェクターも少し変えたりして調整してみたのだけどやっぱり思った音にはならず、ぐーと思いながら歌った。新しい曲で仕込んでいたルーパーを踏みそこね、一番おいしいと思っていたところで一番練習していたところだったから、いまだに悔いている。こういうことはやっぱり場数なんである。
そんなわけでなんというかどうにかやり切った、というようなライブだったのだけど、久しぶりに会ったお客さんがとても良い顔をして「今日は来て本当に良かった」と言ってくれて、あぁよかった、と思った。菅波さんもエレキギターのセットをとても褒めてくれ、会場にいた見知らぬ女の子もすごく良かったですと声をかけてくれるなどして、ひとまずは最低限はやれたのかな、と思っている。次のライブがいつになるかまったくわからないけれど、ゆっくりまた色々整えよう。
楽しみにしていたしいねはるかさんの新書『未来を放つ』も会場でげっと。はるかさんのライブは、去年9 partyに呼んでもらったときは別件があり見られなかったので今回こそ、と思っていた。とても素敵だった。こんな“まっすぐ”のあり方もあるのだと、思った。9 partyはわたしが普段触れることのないだけど本当はとても近くにあるいろんな世界を見せてくれる場所だなと思っている。
きのう。某プロジェクトの録音で久しぶりにツバメスタジオで録音。ツバメスタジオはわたしの2ndアルバム『Everything Goes Back to You』をレコーディングした場所。それ以来すっかり何かにつけてお世話になっているのでちょこちょこお邪魔させてもらってはいたのだけどブースの中に入るのは考えてみれば久しぶりで、ちょっとはしゃいだ気持ちになった。君島さんが美味しい緑茶を淹れてくれた(君島さんはいつもおいしいお茶を淹れてくれる)。今回は歌の録音というより、様々な声の素材を録るといった内容で、わたしのとても好きで得意とする作業だった。同世代のクリエイター達と一緒に作品に向き合い、わたしも思い切りやれた。気持ちのいい楽しい時間だった。ありがたい。あさって一日家でミックスをする。仕上がりが楽しみ。(お楽しみに)
今日。午前中オンライン打ち合わせ一本。お昼にランチという名の打ち合わせ、もしくは打ち合わせという名のランチ。だけどふたりしてフルーツのパフェを食べた。とても大きかった。わたしはパンケーキにしようと思っていたけど、オーダーを先にした彼女がパフェと言ったのを聞いて、あぁこれはわたしはパンケーキを頼んだらきっとパフェを食べている彼女のことがうらましくなり後悔するに違いないと思い真似してパフェにした。美味しかったけれど生クリームが盛り盛りで途中で胃がぐったりしはじめ、みると彼女も少し残していたので、わたしも無理して食べずに下げてもらった。食事をするとき、いろいろを相手に合わせるきらいがある。自分に対する自信のなさは染み付いた習性のところどころにまだたくさん残っている。
それから電車を乗り継いで池上に移動して某取材。「Nozomiさんの所縁のある場所で」とのことだったのでSANDOを使わせてもらった。取材を受けるのもなんだか久しぶりだった。取材をしてもらうときというのは大体リリースのタイミングで作品について話すことが多いけれど、今日は割とわたし自身について、これまでや最近、といった内容で、ライターの方がわたしのSNSやnoteやun/baredや、いろいろ見てきて下さっていて、さらには文章も褒めてくれるなどして嬉しかった。音楽人としてだけでなく、初めて文章を書く人間としてもインタビューをしてもらえたことはわたしにとってちょっとした出来事。音楽はずっと変わらずに自分の真ん中にあり続ける、だからこそ縛られずにいろんな表現をしていきたい、という最近思い至った心境を素直に話した。
きのうも一昨日もそれぞれに集中すべきことがあったのであまり取材に向けた準備ができておらずどうかなーと思っていたけれど、割とちゃんと話せたように思う。それは自分自身の調子というか心持ちもあったと思うけれどでもやっぱりライターさんと企画の方がそういう空気を作ってくれたことが大きい。とてもありがたい。政治の話や暮らしの話なんかもして、お二人の話も聞いてみたかったしもっといろいろ話したいと思ったけれどその時間はなく。残念。またゆっくりご一緒できたらいいなと思う。
取材のあとは本門寺まで歩きながら少し撮影。慣れ親しんだ地元で思い出話なんかもしながら。ちょっとこしょばいような気持ちもありつつ、でもやっぱり嬉しいなと素直に思った。
SANDOに挨拶をして少し世間話をしたあと、母に池上まで来てもらい(自転車ですぐ)SANDOチームに前からおいしいと聞いていたネパールカレーのお店で一緒にごはんを食べた。この手のお店はヴィーガンでも食べられるものが必ずあるのでありがたい。最近生まれて初めて夏バテと思われる症状を経験しており、体は重いし食欲はないしでけっこう参ったなーと思っていたのだけど、スパイスの効いたものをたくさん食べてこれは元気が出そうだ、と思った。ネパール人の母娘で切り盛りしているらしく、とても丁寧にメニューや食べ方の説明をしてくれたり、オリジナルのお茶や雑穀米をサービスしてくれたりした。ふたりともとても可愛くてチャーミングだった。お土産にチャイを買った。
母に会うのは数ヶ月前近くに行ったときに一瞬実家に寄ったときぶりだったけれど、最近は会うたびに体が小さくなったような感じがしてしまいちょっと切なくなる。全然、元気なのだけど。でもやっぱり確実に歳をとっていっているのだなと思う。
母とふたりでいてもこれといって共通の話題があるわけでもないので会話は途切れ途切れで、わたしが「おばあちゃん元気?」とか「お父さんは最近なにしてる?」とか「オリンピック観た?」とか、そういうなんてことのない質問をして母が答え、そうしてわたしがまた別の質問をする、というような様子だった。母からわたしになにかを聞いてくるということはないので、ときどきぽろぽろと自分の最近の話も挟むなど。仕事について質問をしたら、最近課長さんが変わって、とか、わたしも早く引退したけどわたしよりも上がいるからそのひとがやっぱり先よね、とか、よく喋っていた。
お店を出ようかというときに携帯をみると1時間ほど前に父からの着信が入っており、母が来れたら来たらと言うだけ言ってお店の名前や場所は伝えていなかったらしく、母は連絡が来たらすぐわかるようにテーブルの上に電話を置いていたにも関わらずまったく気がつかず、わたしはいつもサイレントモードなのでもちろん気がつかず、悪いことをしてしまった。父にも久しぶりに会いたかったけれど。いただきものらしい大きな桃をひとつおすそ分けしてもらい、駅前で別れた。わたしは果物の中で桃がいちばん好きだ。はるかさんの本を読みながら電車を乗り継いで帰宅。口がカレーのままだったのでアイスでも買って帰ろうかなと思って駅前のスーパーによって棚をひとしきり眺めたけれどやっぱりぜんぜん食べたくないな、と思いなにも買わずに店を出た。
この1週間から10日くらいはなんだかいろんなことがあって感情が完全に飽和気味だったのであるが、きのう今日といろんなひとに会っていろんな話をしてだいぶすっきりした気がする。感染がいよいよ深刻なので今月の出張はなくなるかもしれない。すごくすごく行きたい、だけど仕方がない。命よりも大切なものはない。夏バテも相まって頭が働かないしすっかり混乱していたなと今日移動中に気がついたのだけど、大事なことを間違えないようにしなくては、ということを改めてはっきりと思った。
とりあえずこの三日間を無事に終えられてほっとしている。まだまだ書きたいことはあるのだけど、書きたいことはいつだって無限にある、のだけど。それらをどうするかはまた考えるとして、ひとまず。今日はよく寝る。
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