37歳で再発
異所性甲状腺がんの手術から8年経過。
毎日お薬は飲んでいたけど、食事制限はないし、お酒も飲めるし、傷跡も首の皺のように薄くなっていきました。
数ヶ月に一度の定期検査の日以外は、自分ががん患者であったことも忘れるくらい元気に過ごしてました。
2020年10月。ある朝、ドライヤーをかけながらたまたま耳下の首筋を見たら、しこりのようなものを発見。
嫌な予感がして、通勤中にスマホで「甲状腺癌、再発、転移」等、調べながら会社へ。
前々から病気の話をよく聞いてくれていた隣の席の先輩に話したら、すぐに病院に行くように勧められました。
「仕事があるし、急ぐような病気じゃないし、脂肪の塊じゃないですかねぇ」と後回しにする私に「早く行ったほうがいいって!」と強く勧めてくれて感謝しています。
次の検査予約が半年以上も先であったにも関わらず、急な診察を受け入れてくださった先生にも感謝しています。
その頃、私は他のことで精神的に落ち込んでいて、お願いだからこれ以上悩みを増やさないでよ、という気持ちで検査を待ちました。
そんな日に限ってスマホの充電残量が少なくて、静かなロビーで考え事をするしかありませんでした。きっと何事もないんだ、心配しすぎだ、と自分に言い聞かせてました。
しかし、細胞診(直接しこりに細い針を刺して細胞を採取すること)で再発の疑いがあると言われ、その後の造影剤CTで診断が確定。
他に転移してないか全身を調べるため、PET検査(がんの転移や再発を調べるため一度に全身を撮影する検査)の施設まで予約してもらい帰りました。
病院からの帰り道。
天神に寄って買い物でもしようと思ったけど、商品を見ているようで見ていない。上の空でした。
親に電話しなきゃと思うけど、母の落ち込んだ声を聞きたくない、心配かけたくない、一人で全て済ませようか、と考えているうちにどんどん時間が経ちました。
結局、電話で伝えました。翌日、会社の方たちにもお話しました。