29歳でがん患者に
29歳だったある日、喉に食べ物が詰まったような苦しさに襲われました。
(その前日、飲み会で海老の天ぷらの尻尾まで食べたからそれが原因だと思ってました)
数日間は我慢したものの仕事中も耐えられなくなり、さらに首の右側に小さな膨らみがあることに気づき、自宅近くの総合病院でエコーをしました。
水疱があるが問題ないという診断結果が出たけれど、こんなに苦しいのに何も問題ないはずない!という気持ちがあり、紹介状を書いてもらいました。
後日、紹介先の浜の町病院で胃カメラをしました。結果は問題なし。
耳鼻咽喉科の先生の診断は「水疱は関係ないかもしれないけど近いうちに切除してみましょうか?」というものでした。
それまで手術や入院などは無縁だと思って生きてきて急展開に戸惑ったものの、母に背中を押されて手術を決意しました。
術後の病理検査で、切除した病変にがん細胞があることが判明しました。ご家族を呼んでくださいとのこと。
自分が20代でがんになるなんて。頭が真っ白になり、病室まで看護師さんが付き添ってくれました。
親に連絡しなきゃ、でもどう伝えよう、そもそも甲状腺って何?どんな病気なんだっけ?と頭の中はぐちゃぐちゃ。
当時はまだガラケーで、今ほどネットの情報量は多くなく、すぐに命に関わるような病気ではないという記事を読み、落ち着いてから母に電話しました。
両親の前ではいつものように振る舞ったけど、徐々に不安が押し寄せ、同部屋のおばあちゃんに泣きながら打ち明けました。
私が泣き止むまで隣にいてくれたおばあちゃん。入院中の支えでした。(お元気かな?)
数ヶ月は皮膚が突っ張るような感覚があったものの、傷跡は皺のように目立たなくなりました。
良い先生に巡り合えてラッキーでした。