まなざしの土地を巡って
2023年4月2日(日) プロジェクトなづき稽古
山田零さんの要望により 前回の稽古で 形作った 第一章『門』を含めた全編の通し読み。そのあと全貌が明らかになってきたことで細かな部分や衣装、劇中音楽についてメンバーで話し合いをしました。また公演本番、吾野宿という建物の有効利用の再検討、また雨天の時どうするか、 照明についてなど、意見を出し合いました。なかでも野外芝居に長らく参加していた役者からの知見により大幅に見直しました。
その後抜き稽古へ移行。4月中は 今井歴矢(今井蒼泉)さんの生け花インスタレーションで、稽古参加が難しくなるので まずは付喪神としての今井さん演じる「錦」、山田さん扮する「罐助」の稽古を深めました。山田さん、今井さんの息が合ってきて、名コンビの誕生というところでしょうか。錦に対して演出助手の田口和さんからいくつか演出の提案がありました。川津も参考になる納得できる意見でさっそく採用です。そんな眼差しを獲得していかなければです。
そしてゴーレム佐藤さんと田口さんの第一章『門』の稽古です。 役者にはいろいろなタイプがいます。 第一章は即興性の濃い内容なので再現性を求めません。そのなかで本番の瞬発力にかける役者がいれば、一方では即興でも、ある程度役者間の会話のバランス、段取り、きっかけを納得できるまで積み重ねたい役者もいます。ゴーレムさんと田口さんはまさにその両極端なので、この部分は即興芝居にも関わらず、演出の役割が重要となっています。この日は二人の個性がぶつかり合うという面白さが十分には発揮されません。演出側がどのように抑制や言葉ではない部分で場を成立させるか、 そのあたりを練っていく必要性を感じています。
座敷童演じる、伸枝さんは説得力を持たせるために新たな演出案が田口さんより提示されました。 詳細は省きますが、座敷童の無邪気性が際立ちました。
最後は川津の第二章『件』の目玉とも言える場面の稽古をしました。 この場面の稽古をするのは初めてです。 年初から吾野宿に通い、 人物設定等、メンバーと現場で作品を練ることにより浮かんできた場面です。このシーンの「美咲」は別の様相を呈する演技が要求されます。存在を抉り出すようにして氣の出し方を変えながらの演技です。 山田さんやゴーレムさん、今井さん、そして田口さんとも話し合いながら吾野という地と美咲の担うある種の業をあらわすべくシーンを洗練させていきました。
稽古終わって飲み会をしましたが、 川津はほとんどその時間は眠っていました。 解散後ゴーレムさんと山田さんから妙案が伝達されました。 面白くなりそうな予感がします。
2023年4月6日(木)
体調不良で川津は不参加。伸枝さんが手配してくれた稽古場で滞りなく、稽古は進められたようです。ゴーレムさんが共有してくださったメンバー用の映像によると上野憲治さんが演じる、「秀人」のシーンを主に 稽古したらしい。秀人という役柄は常に症状の出ている精神疾患を患う人物ではなく、ある程度理性も維持しています。本来秀人が持っている性格や憂いのあらわれる箇所も見どころです。今井さんとの絡みのシーンで変容して行く秀人の心理面も 見やすくなってきました。
稽古後伸枝さんの連絡によると各メンバーいろいろと作品に関するイメージが湧いており、次回の稽古でシェアしたいとのことでした。 川津も次の稽古までには体調を万全にしていかないと。