記事一覧
2024年4月(1)
「少年とわたくしの心は充分通いあっていた。彼は「曲がり尺」のようにかぼそく青白い肱をうすい胸の上をうすい胸の上にあわせ、いつも、かじかんでまがっている両掌の左の方を上に重ねて、爺さまのはだけた両膝の間に仰向けになっているのである。」
石牟礼道子著 『苦海浄土 わが水俣病』
俳優 田口和さんは自身の身体に触れずに、浅黒い肌をならすように魂を揺さぶっていた。2018年の気象庁「WMO/UNEP オ
共有するひとりごととして
こんばんは。昨日は随分と肌寒かった。昼間は芝居の稽古で、メンバーは全員来ました。今回は作・演ではなく役者としての参加なので、一役者としての伝達のみでどれだけ参加してくれているメンバーの「今」にアウトプットできるか……そればかり考えていました。
実は2週間前あたりかな、厳密に言えば9月……は、どのような視座でまなざしたにせよ生死に関わる決断が迫られた月でした。長期的な視点で感情的にならず自身の様子
.kiten、再始動
東陽町アートスペース.kitenより約3年。.kitenはプロジェクトなづきの公演『門 MON』より企画者団体吾野宿.kitenとして再始動しました。歴史ある吾野宿をベースとして時に他の土地での公演も考えております。サイトもリニューアルし心新たに、共催イベントのご案内です。
主催まきこの会、吾野宿.kiten共催、後援は心強くも飯能市、吾野宿再生と吾野を語る会(COMステーション)。7月30日(
土地が人を通して呼びかけるもの
2023年4月30日(日)プロジェクトなづき吾野宿稽古
プロジェクトなづきの作品は都度作曲家に曲を書いてもらってきました。生楽器の演奏が主で、SEまでも楽器で表現してきました。そのため楽師は役者の動きを見るのに専念してもらうためできるだけ曲を暗譜するのがベストだったように個人的には思います。曲自体は聴きやすいながらも現代音楽です。西洋楽器での微分音、時に記譜法においては作曲者が確立、採用している
まなざしの土地を巡って
2023年4月2日(日) プロジェクトなづき稽古
山田零さんの要望により 前回の稽古で 形作った 第一章『門』を含めた全編の通し読み。そのあと全貌が明らかになってきたことで細かな部分や衣装、劇中音楽についてメンバーで話し合いをしました。また公演本番、吾野宿という建物の有効利用の再検討、また雨天の時どうするか、 照明についてなど、意見を出し合いました。なかでも野外芝居に長らく参加していた役者からの
春にして眠りゆくものを想う
2023年3月26日(日)プロジェクトなづき稽古
生憎の雨。吾野宿から某所に稽古場を移しました。まずはじめに第一章「門」の構成をメンバーと一緒に練っていきました。せっかくアンサンブルとして作品を作るのですから作・演、役者同士が提案や意見、批評をフランクに交し合える現場を志しています。シーンを引き寄せる力を場や仲間から預かる、そんな創作方法を今回は特に意識しています。
冒頭部は月読彦さんの着想を