幼少期のたんこぶとムチウチ

 新年早々、遠方からお越しいただいたお客さん(=Qさん)への施術は、奇遇なことに頭のムチウチ、でした。年末から微妙にムチウチづいている私です。
 Qさんのムチウチは前回記事のPさんのそれとは異なり、わりと最近のケガではなく・転倒しての負傷ではなく、幼少期のたんこぶによるものでした。ごんと頭をぶつけてたんこぶができて、それ以来、数十年の間、残り続けていたダメージです。

 幼少期のケガを私が問題にすると、「もう何十年も前ですよ?!」と驚かれることがありますが、生まれてこのかた、同じ身体をずーっと使い続けているわけですから、何十年前だろうと、残っている傷痕は残っています。
 そして私が〈修理〉するのは〈ナマの傷〉ではなく、〈ふさがって、なお残る傷痕〉ですので、〈血が止まって皮膚がすでに張ったもの〉・〈そもそも皮膚は破れずに、皮下で傷ついて治ったもの〉が対象です。Qさんのたんこぶはもちろん後者、〈そもそも皮膚は破れずに、皮下で傷ついて治ったもの〉です。当然、外から見てわかるような、わかりやすい傷痕はありません。

 Qさんの来店は今回が3回目ですが、初めて、幼少期のたんこぶが話題に上りました。
 この、〈言い忘れていたケガを思い出す〉は、私の経験上、〈最優先でこの界隈に施術して!〉のサインです。筋力検査の結果も、やはりたんこぶを指していますので、初手から額にちくちく施術。
 そして前回記事のPさん同様、原因患部周辺の状態が改善したら、ぴしぴしに凝り固まっている首をがしがし弛める。併せて背中も平らにならす。

 Qさんは重要なケガをいくつかしておられるかたですが、前回2回の施術でかなり改善できた手応えがありました。で、今回、たんこぶ+首が弛んだおかげで、さらに、胴体背中の平らかな感じが実に機嫌よく安定しました。たぶんこれで一段落にできそうです。
 「もうたぶんだいぶ良い感じになったと思いますので、わざわざ来てもらわなくても大丈夫と思いますよ!」。確約はできないので、頼りない卒業予想を宣言して、施術を終えました。
 くっきり刻まれていた額のしわも柔らかく馴染んで、晴々した様子のQさんは、「また何かあったら来ます!」と帰られました。

 ムチウチの施術は、するべきことがはっきりしているので〈修理〉作業に迷いはなく、しかもお客さんの側に〈楽になった〉感が、早く・大きく実感できる場合が多い。実に施術者満足度の高い作業です。はぁやれやれ、ええ仕事したな、的な。ありがたいことです。

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