顔の強打によるムチウチへの〈修理〉が仕事納めでした
改めまして。
新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2024年の仕事納めのお客さん(=Pさん)は、〈春先に転倒して顔を打って以来、首肩と顔がしんどい、そしてやたらに眠い〉というかたでした。
Pさんはこれまでにもぽつぽつ来院くださっていますので、調子の良いときのお顔を私は知っています。この日のPさんはいちばんアカン時の顔――まるで別人のように怖い感じでした。やれやれ、だいぶしんどいのだな……典型的な顔・頭のムチウチ状態なのでしょう。
追突事故で起こるムチウチ状態は、おしりの打撲が原因です(←この詳細はホームページをご覧ください)。座席を通しておしりに衝撃を受け、症状は首肩頭まわりに出ます。
一方、Pさんのように顔を打ったり頭を強打した場合は、顔頭首を起点にムチウチ状態が起こります。
どちらの場合も、事故瞬間の衝撃は、もちろん患部というか打撃点に受けますが、そのときにできた傷痕を全身でかばい続ける結果、症状は別のところに現れます。
Pさんの場合も、来店時はまだ首まわりの症状で留まっていましたが、適切に改善しないまま時間が経つと、やがて首肩のしんどさは気にならなくなる代わりに原因不明の腰痛みたいになる可能性が高いです。整体屋でおなじみの、慢性的な腰痛、というあれです。
なので、事態がもう一段階ややこしくなる前に来てくださって良かった。
ちなみに、私が言うムチウチ状態をざっくり説明すると、頭からおしりにかけて、長い一本の棒のようになっている背骨の、一方の端を固定したまま他方の端だけに衝撃を加えることで起こります。
アイスの棒の下端をつまんで、上端を爪でパシッとはじくイメージです。
アイスの棒は棒ですが、背骨は棒ではありません。達磨落とし的に積み上げた小さい骨骨を筋肉でつなぎ留めたものです。なので、一部分だけを不意打ちで急に動かされる、あるいは動いている状態から一部分だけを急に停められると、骨骨を支えそこない筋肉が傷つきます。
追突事故や〈物が上から落ちてきて頭に当たった〉みたいなのは、急に動かされたクチで、尻もちやPさんのような転倒での頭部・顔面強打は急に停められたクチです。
と、状況を整理したところで早速施術。
傷痕は顔だけでなくあちこちにあるので、まずは優先順位の決定から。筋力検査をすると、文句なしに顔の打ち身痕が深刻なので、ちまちまちまちまひたすら顔に施術。
どうがんばっても時間がかかる作業なので、2時間連続で施術させてもらいました。せっかくのお正月なんだから、せめて一区切り以上は改善させてから連休に突入してほしい。
ひたすらひたすら施術して、ようやく顔が一段落したかな、と思って首をみせてもらうと、ガッチガチに凝っていました。そりゃこれはしんどいわ……。
とはいえ、(首コリの原因である)顔への施術があらかた済んだ後なので、首は比較的弛みやすい。そしてちょっと時間に余裕があったので、ついでにもう一つ深刻な、手のケガ痕に施術して、それなりに作業が進んだところで時間切れになりました。
「この日施術できなかった残りのケガがそれほど大層でなかったなら、少なくともしばらくの間は、つらい症状は出てこないでしょうから、また何か問題が起きてからの来店で良いです。けれどまだいくらかしんどい感じが残るようでしたら、なるべく早めにまた来てください」とお願いして別れました。
ベッドから起き上がったPさんのお顔はすらっとさっぱりしておられましたので、まあ、大丈夫でしょう。おかげさまで、気分良く仕事納めができました。