白内障手術〜鬼と見つめ合う時間〜
白内障の手術を受けてから2週間経ちました。
結果は良好??ちょっと「おや?」と思うこともあるけど一応良好です。
前回は白内障ってこんな病気だよって話をしました。
今回は、知りたい人が最も多いんじゃないかと思う手術当日の話です。
私がお世話になった病院は、なんと送迎してくれるんですよ。病院の送迎って最寄駅からと思うでしょ?自宅にお迎えに来てくれて、自宅まで送ってくれるんですよ。つまり患者一人一人を送迎してくれるの。すごいサービスじゃないですか??それが、日帰り白内障手術だけかと思いきや送迎のタイミングさえ合えば普通の通院でも送迎してくれるっていうんだから。って、熱く語ったけど、私は夫に付き添ってもらいました(照)
手術
手術は、病院の昼休みの時間帯に行われました。当日来院指示された時間は11時です。11時に病院に着くと、通常の待合とは違う場所に案内されました。
「こちらに座ってお待ちください」
待合所の二人がけくらいのソファに通されました。そこは手術室に続く廊下のようで、どうやら私の他に二人手術を受ける方がいるようでした。
ソファの横に仕切りのカーテンが引いてあり、カーテンの向こうには女性、その女性の向こうには男性。それぞれがカーテンで仕切られ、コロナ対策もあるのでしょうが、プライバシーも守られていました。
座って待っていると看護師さんが来て、名前と手術を受ける眼はどちら側か口頭で確認がありました。「左です」と告げると「ちょっと貼らせてくださいね」と〝L〟と書かれたテープを左の眉の上あたり(おでこ)に貼られました。こうなると断然病人感が増すというか、いよいよ手術前だな!という緊張感が増してきます。これまでにも手術経験があるけど、手術当日になると手術箇所にテープを貼られたり、それまでにはなかったタグを手首に巻かれたりして手術前の演出がじわじわ緊張を煽ってくるんですよね(演出ではない)。
そうこうしていると、駐車し終わった夫がやって来て、私の顔を見て一言。夫)「(左って貼られてる)確認がすごいね」
私)「左です」
ここから待ち時間の始まりです。
事前に説明は受けていたんだけど、手術までの間にここで何回も何回も目薬をさされます。看護師さんが順々に「はい、目薬しますね〜」と回ってきます。
大体11時半くらいから1時間半〜2時間くらいかな。5分置きに目薬です。目薬は看護師さんがやってくれるので、こちらは上を向くだけでOKです。口が開いてしまわないようにだけ気をつければされるがままです。この待ち時間は特に制約はなく、何していてもOKでした。ちなみに隣の方は体操されてましたね。全身は見えないものの動くたびに手や腕がカーテン越しにチラチラしていました。手術に対する気合を感じますね!
私はというとスマホを眺めたり、居眠りしたり。それでも5分置きに点眼なので5分置きに夫に肘を小突かれていました。緊張感なしのゆるゆるメンタルです。
隣の隣の方が呼ばれ、しばらくして隣の方が呼ばれ。とうとう私のところに看護師さんが術衣と帽子を持って来ました。今着ている洋服の上から術衣を来て、帽子の中に髪の毛を全て入れます。支度ができた頃に再度看護師さんがやって来ました。
看)「手術の時に水を流して目を洗うので、耳に水が入らないようにガーゼをしますね」
左耳を覆うようにガーゼをつけて、容赦無くテープて眉尻あたりから顎にかけてがっちり止めて水の侵入を防ぎます。
ここでお伝えしておきますが。
私は皮膚よわ子なのでこのタイプのテープはしっかりちゃんとかぶれる人です。行きつけの病院(かかりつけ)は私が皮膚よわ子と知ってくれているのでソフトなテープなんですけど、今回は「かぶれやすいですか?」と聞かれる間もなくがっちり止めでした。
そして、いざ手術室へ。
手術室なんて入ったことあるのに、なんなら今まで経験した手術室よりこぢんまりしてるのに。さっきまで居眠りかましていたくせに‥。
ものすごい光を放つ手術室、歯医者さんよりなんだかちょっと豪華な椅子を目の当たりにして一瞬にして緊張感マックス。
(怖いなー怖いなーとは思っていたけど、想像以上に怖い!!!!!)
歯医者さんみたいな椅子に腰掛けると看護師さんが黄色と茶色のチェックのもふもふした膝掛けをかけてくれました。どなたかのブログで白内障の手術の時に看護師さんがずっと手を握ってくれていて心強かったという記事をみたので、私もちょっとその優しさを期待していたんですけど、私の両手は見事にもふもふ膝掛けの下にしまわれました。これはこれで優しさだし暖かいけど。
膝掛けの下にしまわれた手で自分の服を強くつかみ、ほぼ仰向け状態になった私。
医)「それでははじめていきますね。消毒しますね」という言葉と共に顔の左側をびっちゃびちゃに水で流されます。
医)「保護するフィルム貼りますね」と左眼の部分だけくり抜かれた防水おねしょシーツみたいなやつを顔面に貼られます。顔につく側にはのりがついているようでペタペタして、しっかりと顔に貼り付きました。この時、私の顔面は左眼しか出ていない状態です。おねしょシーツみたいなやや厚みのあるシートなので右眼で周囲を見ることはできません。
医)「フィルム貼りますね」とさっきと同じようなセリフを言ったかと思うと今度は左眼に半透明くらいの薄いフィルムが貼られました。
もうこの時の私は緊張で深爪気味の爪が手のひらに食い込むかってほどに強く服を握り、あまりの緊張に口が全開でした。全開ってわかってるのに、閉じれない。いや、もう全開の口を見られてもいい。怖い。
左眼に貼られたフィルムが破かれたような感覚があり、左眼にあの手術室のライトが当てられました。眩しすぎて、目を閉じそうになると「一番明るいところを見てくださいね」と言われる。左眼は器具で閉じないように瞼を固定されました。
一番明るいところ・・・・と自分なりに目を見張るとそこには
鬼がいました。
私にはこれが鬼の顔に見えて。
頑張って手術受けてるのに鬼に睨まれているじゃないか!!!
白内障の手術をすると言って多くの人から一番言われたのは「局所麻酔じゃ何されてるか見えちゃうじゃん!」でした。
そう、私もそれがめちゃくちゃ気になっていました。経験者のブログを読んだり、直接話を聞いたりすると「眩しくて何も見えない」ということでしたが本当のところどうなのか。
眩しすぎて何も見えませんでした。
水晶体が抜かれた瞬間なのか、一瞬真っ暗になったタイミングがありました。その時は医師からも「暗くなりますよ」という声がかかったので、あの真っ暗な闇が眼内レンズと交換するタイミングだったのでしょう。手術に関して、患者が分かる(感じる)こととしてはこれくらいで、それ以外はずっと鬼と見つめ合っていました。
あ、書き忘れましたが。
5分置きの点眼、最後にさすものが麻酔です。なので、痛みは全くありません。ちょっと眼球押される感じがするくらいでした。
見えないけど、音だけはしっかり聞こえるので、水のびちゃびちゃする音や器具のウィーンという音は聞こえます。音だけで言えば、歯医者の方が不快です。こちらは主に水の音でした。
鬼と見つめ合うこと15分くらいでしょうか。
医)「終わりましたよー」と同時に顔面に貼ったおねしょシーツみたいなやつをベリベリと剥がされ、剥がされたかと思うと「ガーゼしますね」とおっきいガーゼと眼帯を、これまたテープでがっつり固定されます。
看)「(身体)起こしますね〜」と椅子が起き上がり、看護師さんに手を取られながらゆっくりと起き上がります。
気持ち悪い。
そう感じた瞬間、看護師さんから「気分悪くないですか?」と聞かれ「ちょっと気持ち悪いです!!!!」と即答し、手術室前のベンチで休むことに。歯医者さんの椅子みたいなやつで手術を受けるわけですが、ググーッと倒されて手術中は頭の方が下に下がっているそうです。そのため、起き上がってからしばらく気分が悪くなる人もいるとのことでした。
待合室がチラッと見えると夫が心配そうにこちらを見ていました。
看)「ご主人ですか?こっちに来てもらいますか?」
私)「大丈夫ですか(こっちに呼んでいいんですか?!の意)」
看)「そうですか、じゃあ、しばらく休んでくださいね」
私)「・・・・・・・」
(つ、伝わってなぃ・・・。なぜ、私は「大丈夫」というワードチョイスをしたんだ・・・・バカヤロウめ)
心配そうな夫の視線を感じつつ、少し休んでからおぼつかない足取りで待合室へ。
日帰りなのでこの日はこれで終了です。
帰宅後の過ごし方
ふざけて目をつむって歩いたり、片目で歩いたりした経験てちょっとくらいはみんなあると思うんです。子供の頃とかやりますよね。あの時の暗さや不安定さとは比にならないくらい、片眼がしっかりした眼帯で覆われた世界は不安で、不便でした。たった1日です。昼過ぎから翌日の午前中まで、たったそれだけの時間なのに片眼で過ごす世界はストレスでした。
当日の術後の過ごし方の注意点は「アルコールは控える」「入浴はシャワーのみ」「洗髪しない」だけでした。ネットで調べてみると、もっといろいろな制約がある病院もあるようでしたが、私がお世話になった病院は基本的に「(注意点)特にないですね〜」でした。
なので、テレビも見たし、スマホも見たし、テレビゲームもしていました。が、お勧めしません。なるべく何も見ずに休んだ方がいい。
私はテレビも見たいし、スマホも見たいし、ゲームもやりたくてやってしまった。これが、ストレスでした。ストレスならやめればいいのに、やってしまうのが人間ですよね(急に大きな話)。
まっすぐ見ているつもりなんだけど、多分右眼でちゃんと見ようとして首や肩に力が入っていたし。さらに、大きな眼帯が煩わしくて、テープはチクチクむずむずするし。とにかく疲れます。
だから、なるべく何もせず休むのがいい。
次回は、手術後の視力はどんな感じ??をお伝えします。
磨りガラス越しではありますが、手術後に浮かれ写真を撮る私と夫です。
眼帯の大きさご確認ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。 いただいたサポートはライター活動のために使わせていただきます。 いろんなところに行ってネタを拾うぞっ!!