「泊まれて観光もできる」ローカル出版社に感じる地域資本主義の可能性
古くはミシマ社、ライツ社、海士の風……。この10年くらい、地方を拠点にした出版社が気になっています。
出している本は、一冊一冊につくり手の思いを感じる「クラフト書籍」とも言えるようなラインナップ。各社のウェブサイトにもその思いが綴られていました。一部を書き抜くと……
ミシマ社:「一冊の力」を信じること
ライツ社:自分たちが本当におもしろいと思う本だけを出版しています
海士の風:心から共感し、応援したい著者と「一生の思い出になるぐらいの挑戦」をしていきます
機会があったら行ってみたいと思っているのは神奈川県・真鶴町にある「泊まれる出版社」真鶴出版です。真鶴に移住した夫婦が、出版業だけでなく、古民家をリノベーションした一日一組限定のゲストハウスを運営しています。
というのも、以前徳島県に旅行をしたとき、女性が一人で経営しているオフグリッド(簡単に言うと、電気と水道を自分でまかなう)のゲストハウスに泊まった夜が今でも忘れられないのです。
どういう思いでこの家をつくったのか、なぜここに住んでいるのか……少し肌寒い室内の、太陽光発電のランタンの下で、家主から聞くことができたのは幸運でした。
真鶴出版でも、宿泊した人と一緒に町を案内する「町歩き」の時間が1〜2時間ほどあるそうです。
地域に根ざし、人が集う場所があり、発信する力がある——。
自分の目でまだ見てはいないのですが、そこに地域資本主義の可能性を感じています。
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