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サウナブームで思い出す「男性の最高の美徳」
数年前、突然やってきたサウナブーム。私が驚いたのはブームそれ自体ではなく、仲間で行くというところでした。サウナは温泉や銭湯では1人で入る人がほとんど。なぜ部活みたいにみんなで出かけるのか、と不思議に思ったのです。
そう思っていたとき、Life Insider(Business Insider Japanのバーティカルメディア)編集部の一人がこう話してくれました。
「サウナは、男性が堂々と人に言える数少ない“セルフケア”だからここまで流行っている、というのもあるらしいんです」
信憑性はさておき、はっとさせられた言葉でした。
それで思い出したのは、かつて石原慎太郎氏と三島由紀夫氏が、「男性にとって最高の美徳とは何か」というテーマで対談をしたという話。二人がそれぞれ手元の紙に書いて同時に見せ合ったところ、期せずして書かれていたのは二人とも「自己犠牲」。
これはあくまで昭和に生きた作家二人の考えですが、サウナブームを見ていて、男性が「自己犠牲」と正反対にあるような「セルフケア」していることを堂々と人に言うのは、令和の今もまだ難しいのかもしれない、と思ったのでした。
Life Insiderでは記事を通して、周りも自分も大事にし、毎日を心地良く過ごす提案をしています。セルフケアもその一つ。
いつも穏やかなあの人には、何らかのセルフケアの習慣があるのでは?その思いから、新連載「わたしが整う小さな習慣」を始めました。第1回は男性のアクセサリー作家が登場。よく読まれています。
(2023.6.1)