大竹伸朗展で感じた「つづけること、つづくこと」
寒空の広がる1月の日曜日の朝、国立近代美術館へ大竹伸朗展を見に行ってきました。私自身は前回の回顧展(調べたらもう17年前!)に行っていたので、子どもに見せたいな、どう感じるのかな、という思いでした。
現代アート展に連れ回しているせいか、慣れている息子(小学生)は会場を出て一言。
「統一したコンセプトがなくて、何が伝えたいのかわからなかった」
もっと触発されるかなと思っていたのでがっかりすると同時に、その感想にはなるほどとも思いました。
『美術手帖』のインタビューの中で大竹さんも、今回の展示のテーマ設定に関して「もともと自分がコンセプトを打ち立ててものをつくるタイプではないから、60年間で自分が意図せず周期的に生まれた流れを言葉に置き換えたっていう方が正しいかな」と話していたからです。
別の媒体のインタビューでは、こんなに多くの作品を生み出し続けられるのはなぜかと問われて、こう答えています。
「続けるということも大事なんだけど、続けるとか続けないとかいう意志を越えて、本質は“続いていっちゃう”ものなんだと思うのね」
アートを極めたいなんて考えていない、退屈だから作っちゃう、とも。
私たちも、起業家や新しいチャレンジをする人に、なぜ続くの?その原点は?と聞きがちです。原点や続く理由は後付けのことも多いですよね。このストレートな答えにはっとさせられました。
(2023.2.2)
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