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ほぼ日の決断で考える「会社」というもののかたち

今週の大きなニュースと言えば、アップルが発表したVR/ARゴーグル。私にとってもう一つの大きなニュースは、6月6日(日本時間ではアップルと一応同日)にほぼ日が発表した、株式譲渡の話でした。

創業者で社長の糸井重里さんが、自身の保有する株式の一部(約1万9000株)を、ほぼ日で働くすべての人に譲渡する、と発表したのです。6月6日は同社の創立25周年の日でした。

糸井さんは株式を渡す理由について、「鉢植えの苗木(株)を、いっしょに仕事をしているすべての仲間に持っていてほしかった」と言っています。

ほぼ日はコンテンツを発信するサイトであり、コミュニティであり、いまや一定規模を持つECショップです。この会社が6年前に上場していること、もっと言えば会社という形態を取っていることに驚くのですが、経済学者の岩井克人先生と糸井さんの対談を読んでなるほど、と思いました。

糸井さんは岩井先生の『会社はこれからどうなるのか』を読み、「会社は株主のものではない」「資本主義の中心にはもともと倫理がある」という話に勇気が湧いて本当にそういう会社を作ろうと思ったようなのです。

岩井先生は対談の冒頭でこう話しています。

「少なくとも世界のある部分の社会では、会社についての人々の考え方が、少しほぼ日のようなありかたに近づいてきている気がして、ほっとしています」

株式が譲渡されるのは2023年8月。ほぼ日という会社、そして会社についての人々の考えは、どのように変わっていくのでしょうか。

(2023.6.8)


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