格闘する者にハナマル。
ふえぇぇ。カーテンを洗うほどのヒマな日々はどこへやら。肩が化石になりそうなほどPCに向かい、納期と戦っておりました。
そして今日からのスケジュールは白紙。
怖いな、フリーランス。(1年過ぎてようやく割り切れるようになってきた)
校正の仕事で読むのはガッチガチの文章(社内資料、学術誌、取説など)だから、情緒というものは感じられない。NEJM(医学誌)のサイトで、医師が研修医だったころの思い出をつづっている記事など見つけると、ものすごくほっとする。お医者さんも人間だったんだなーって。
無駄のない文章にばかり触れていると、やわらかい読み物が欲しくなる。
数字じゃない物語が知りたい。その人が感じたことを聞きたい。
エッセー好きの私にはnoteは宝箱だ。
ここから本題。
キナリ杯の応募作をカメの速度で読んでいます。
現在36本。(意図せず読んだものはまだカウントに入れていない)
誰の得にもならないけど、12本に1回くらいのペースで、お気に入りを褒めたたえるのが、最近の楽しみです。
★今日のお気に入り★
この記事には、ADHDを持つ女性の日常が描かれている。
正直に告白しよう。
前半の例えの部分は、ピンとこなかった。
でも、「発達障害者の日常」という見出しより先を読むと、ぐっと当事者が置かれた状況が近くに見えて来る。
みんなが同じ脳の仕様であって、同じ考えしかできない、というのはとてもリスキーなことなのだ。いろんな考え方や発想があって、補完しあいながら世の中は成り立っている。
この考え方が特別新しいものかというと、そうではないと思う。
でも記事の最後あたりを読んでほしい。
キズナさんが望む社会の在り方について書かれた部分は、とても優しくて、私にとっては新しかった。
全部読み終えてから、友人のことを思い浮かべた。
アスペルガーを公表している男性(勉強熱心で2つ大学を出ている)と、識字障害を持ちながら長期留学(英国の名門)をした女性だ。
普通の人と同じやり方では測れない、群を抜いた長所が2人にはある。
けれど既存の枠組みでふるいをかけたら、振り落とされてしまう。
だから知恵と時間と勇気を使って、「自分の良さ」を発揮できるチャンスをつかんでいた。
それから、キズナさんは雑音が苦手というところに甚く共感した。
日本の会社はまだまだ、一人ひとりの働きやすさよりも、全体をルールで縛ることに重きを置きがちじゃないかなあ。
(某南国では、接客業なのにでっかい石のついた指輪をつけてるボスがいたよなあ)
★本日の赤べこ1★
毎回2作品に絞って感想を書いているものの、今回はどうしても選べませんでした。互いにリンクする部分もあるし。
結婚は1回で成功しないといけないなんておかしい、というエントリー。
ほんそれです。
「相手を幸せにしなくては」みたいな謎の重石を抱えている人をみると、疲れるから手放せ―と思う。
一緒にいて楽しいからいる。
一緒にいてしんどくなったら別れる。
それでいいではないか。
100人いたら、100通りの生き方があっていいんだー!!!
★本日の赤べこ2★
30代、独身。子どもを持つことについて。
自己肯定感低いチームの皆さんは、首が痛くなるかもしれません。
私も片足はそっちのチームに踏み入れてます。
「ちゃんとしなくちゃ」「人と同じが一番」
こういう刷り込みを打ち砕く、強い呪文が欲しいよなあ。
春樹風に言うなら、「完璧な親などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」
去年読んだ『夏物語』(川上未映子)には、非配偶者間の生殖補助治療、反出生主義、アセクシュアルなどなど、生む/生まれるについてが色々書かれておりまして、娯楽作ではないかもしれませんが、(一人で)親になる選択肢を考える人は読んでおいて損はないと思います。
結婚はしたくないけど子供が欲しいから知人に精子をもらった女性のインタビューとか、若くして亡くなった息子の冷凍精子で孫を生んでほしい両親の話とか、精子提供で世界中に十数人の子どもがいる男性の関係家族が交流したときのエピソード(父親と離れて育っても共通点がある)とか。
世の中にはさまざまという4文字には収まりきらない、多様な家族があるものですねー。
以上、本日も楽しく拝読いたしました。
作者様が不快でないといいのだけれど。
本日のお品書き(6/17)
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