どんぐりが落ちている小径
豪雨の後の崩れた路肩
赤と白のパイロン
鬱の朝に 見つけたぬかるみの
猫の足跡
日中は興奮で熱い魂が 我にかえる冴えた風
雲間からのぞく冬の陽射し
時々の心模様を抱いて歩く人に
「おい」と呼びかける声を聞いた気がした
声の主はカケス それとも木々
それは風景そのものの発した声だったか、一瞬の静寂の後
どんぐりを咥えた鳥の羽ばたきが
去っていった
散歩について来ていた猫が鳴いて
前に後ろに駆け行き、共に帰宅への至福の小径
地球の影から今日は三日月が出そうだ
#詩 #2015 .2.23#宮崎日日新聞
#西希実 #山の生活 #猫との暮らし