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11年目にして考える国際結婚の悲喜こもごも

アメリカで国際離婚からホームレスになり子どもと会えなくなってしまった日本人女性のyoutubeを見て色々考えた。現在仕事をしていないので、もし同じ状況になったらどうするだろうと考え答えの出ない問に思わず夜更かし。。早く寝るのが本当にハードル高い夜型人間なのだ。

20歳で付き合い26歳で結婚、現在37歳なので結婚歴は11年、付き合った期間を入れると17年。人生の半分近くをともに過ごし、付き合った当初たくさん喧嘩もしたので結婚して出産した今の方が驚くほど穏やかな日々を過ごしている。今後別れない保証はないが今すぐ何か起こるとは思えないのが今の結婚生活の現状である。国際結婚をしてる友人知人をみると交際期間が4年以下の人が圧倒的に多く1年近くで結婚を決めた人も少なくない。ビザの問題など一緒に暮らすために結婚せざる負えないケースも多い。勢いとパワーが必要なので国際結婚をする人は総じてパワフルで楽観的な方が多い気がする。

イギリス、日本、ベルギーと3か国に住みたくさんの国際カップルや国際結婚をした人々と会った。国際結婚には主に3パターンある。1つめは自分が留学や仕事などで海外に住み現地で知り合う、次に相手が日本に住んでいて知り合う、最後はアプリなどでお互い別の国に住んでいながら旅行などでどちらかの国に訪れた際に知り会うケースだ。以前は1と2が圧倒的に多かったが、SNSやマッチングアプリの普及により3のケースもちらほら聞くようになった。どれが最適な出会いというわけではない。1、2のケースは外国での生活経験を持っているので国際結婚へのハードルは低いように感じる。しかしどのケースでもキャリア形成や心身の事情などで、今まで住んだことのないどちらかの母国や第三国に移住するケースがままある。その場合は冒頭の女性ではないけれど、離婚した時のダメージがとても大きいのは間違いないだろう。そしてまわりを見ても女性が男性の母国に移住することが圧倒的に多いのだ。以前海外移住する女性が増えているとのニュースが話題になったが、ほとんどの場合女性がパートナーのキャリアに合わせるのだから当然の結果だと感じた。またもし男性の方が多かったらニュースになっただろうか、とも思う。

日本に住むこと生きづらさを感じた女性たちが海外に暮らしたがる傾向というのも確かにあると思う。なお日本人や女性に限らず、一定の数の人が自国の環境に不満や生きづらさを感じ海外に憧れを抱き移住するという現象があるとわたし自身を振り返っても感じる。大学院で知り合ったベルギー人の男性はここよりオセアニアの方が自分に合っていると考えており移住を模索している。どこの国がより優れているのではなく、みなここではないどこかを夢見て生きているのである。人類学ではidealisng others(他者の理想化?)といいとても一般的な概念でもある。

しかしそれが恋愛に及んだ時、とても危険な思いこみになりうるのではないかと批判を覚悟で述べたい。西洋人、いわゆるヨーロッパや北アメリカ、オセアニアの男性達がたくましくレディーファーストや女性に対等に接してくれるという文化的な側面をその人個人の優しさと結びつけたり、またその人個人の高圧的な態度や思いやりのなさを文化の違いだからと片づけてしまう危険をはらんでいるのではないかと感じるのだ。

個人の行動や考え方をすべて文化の違いや個人の性質にすることはできないのと同時に明確な線引きをすることもとても難しい。わたし自身、夫と散々喧嘩や話し合いをし、納得することも理解することもできず文化の違いだと諦めることでお茶を逃したことが多々ある。フランスに住んだことはないがイギリスやベルギーに住み何度も訪れて人々と接するうちにフランスでの人との関わり方を学び夫の行動と照らしあわせる余裕ができたりもした。また夫は日本に10年住んだことにより、わたしの中にある日本的、文化的な側面と、個人の意思や考え方の違いをより明確に知ることができたようだ。お互いの国に住めば全てが解決できるわけではないが、外国人として生きることで生じる不都合で不条理な感情を共有することができたのは助けになった。

冒頭の女性が子どもに会えなくて感情的になり涙を流すシーンを批判するコメントみて考えこんでしまった。先日の人種の授業でのクラスメイトの言葉を思い出したからだ。

マイノリティー、弱者や差別された者は時に感情的だ、客観的でないと批判される。しかし逆の立場の者は絶対にその批判はされない。植民地政策や強者の差別が感情的なリアクションを生み出しているのに、その声が真剣に取り上げられることはない。

この言葉はわたしの心に深く響いた。アメリカの片田舎の夫の実家で、子ども達の世話をすることが心の支えだった彼女にとって子どもと会えなくなるということは心身のバランスも崩しかねないほど辛いことなのだと思う。私にできることは今なにもないが、ここに書くことで何もしていないから少しでも脱したいという願いをこめて。

※Akiko's storyというyoutubeです。ご興味ある方は検索してみてください。

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