早見和真/著、木間萌/ナレーション 八月の母
三冊目は、先月までTBS系列で放送されていた金曜ドラマ「笑うマトリョーシカ」の原作者が書いた作品。
彼女たちは、蟻地獄の中で、必死にもがいていた。
愛媛県伊予市。越智エリカは海に面したこの街から「いつか必ず出ていきたい」と願っていた。しかしその機会が訪れようとするたび、スナックを経営する母・美智子が目の前に立ち塞がった。そして、自らも予期せず最愛の娘を授かるが──。うだるような暑さだった八月。あの日、あの団地の一室で何が起きたのか。執着、嫉妬、怒り、焦り……。人間の内に秘められた負の感情が一気にむき出しになっていく。強烈な愛と憎しみで結ばれた母と娘の長く狂おしい物語。ここにあるのは、かつて見たことのない絶望か、希望か──。
(Audible公式サイトより)
愛媛県伊予市で本当にあった事件を元に書かれた作品です。
すごく残酷で、衝撃的な作品でした。
この作品は、美智子、エリカ、陽向の順番で物語が進んでいきますが、特に印象的だったのがエリカのパート。
エリカがずっと心に閉じ込めていた本当の気持ちを言うシーンはわたしにとって、すごく印象的でした。
台詞はネタバレになるので伏せますが、このシーンは多分共感できると思うので、ぜひAudibleで聞いていただきたいと思います。
ちなみにこの作品のナレーションは、木間萌さん。
現在Audibleでは、6月から配信開始されている川原礫さん著のライトノベル「ソードアート・オンライン」シリーズのナレーションを担当していますが、木間さんにとっての初の小説全編朗読になったのがこの作品です。
SAOの朗読が素晴らしかったので、他の作品も聞いてみようと思ったのですが、小説で朗読してる作品がこの作品しかなかったので(2024年10月現在)、重い作品ですが聞いてみようと思い、聞いてみました。
SAOの朗読も素晴らしいけど、この作品の朗読も本当に素晴らしいです!
事件に翻弄されてゆく少年少女たち、彼らを見守る大人たちの演じ分けも素晴らしく、愛媛にいるような臨場感を味わうことができました。
特に、エリカと事件に巻き込まれる女子高生の紘子の演技が素晴らしかったです。
(紘子の声はSAOに出てくるアスナの声にちょっと似てたかもw)
わたしの中でいつか、ドラマか映画か舞台にしてほしい作品。
(もしドラマ化するとしたら20代のエリカは原菜乃華さんか杉咲花さんに演じてほしい!!紘子は芦田愛菜さん一択!)
この作品に出会えて良かったです。
わたしもいつか母になる時が来るかもしれない。
その時は強い母でありたいな、と改めて思えた大好きな作品になりました。
追記
記事内に出てきたAudible版SAOの1巻の感想も書いているので、よかったらチェックしてみてください。
2巻目以降の感想も順次書いていきたいと思います。