クラウドファンディング、始めました。 ①
2020年、4月。政府がついに非常事態宣言を出した。コロナウイルスによって我々の生活は激変しているに違いない。現在進行形なのが余計、我々の背筋を凍らせているのではないだろうか。
私は大学生だ。今、絶賛春休み延期中である。最善の注意を払ってアルバイトに行った時、後輩がボソッとこう言った。
「入学式のためにスーツ買ったのに、着れなかったんすよ」
これを聞いた時、自分の入学式を思い出した。ごった返したキャンパスで、大勢のサークル勧誘をくぐり抜けて厳正な式典に臨んでいた。そこで数人の仲間に出会い、彼らが今の数少ない友人となっている。お互い初めての環境で、緊張していた。あの独特の雰囲気だったからこそ、より早く意気投合した記憶がある。ある種の吊り橋効果に近いものがあったような気がした。
こんな貴重な機会が今年はない。しかも人生最後の入学式が無い。
「入学式を開催してあげたい」
こんな変な気持ちが急に降ってきた。
そこで色々調べてみることにした。
そして、2018年1月、振袖の販売、レンタル業者『はれのひ』が成人式前日に行方をくらませ新成人の多くが被害にあった「はれのひ事件」が目に留まった。と同時に、お笑いコンビ、キングコングの西野亮廣さんが、クラウドファンディングを使い、『リベンジ成人式』を被害にあった多くの新成人のために決行したことを知った。
「これだ。」
私は思った。
そして同時に、クラウドファンディングってなんや。とも思った。
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