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【まめ知識】フルーツポンチのポンチって何?

今日は、小学校の給食のデザートとして出てきたら
テンションが上がる品の一つ、
フルーツポンチについてです。

フルーツポンチという名前は一体どこからきているのでしょう?
フルーツは、入っている物の名前なのでなんの違和感もありませんが、
「ポンチ」とは何を指しているのでしょう?
サイダーやシロップのことなのでしょうか?

ポンチは、お酒!?

フルーツポンチの「ポンチ」の謎を解明するためには、
まず、「お酒」の秘密に迫る必要があります!

古くから人々はお酒をたしなんできました。
しかし、今と表現が同じ「お酒」といえど、
現在ほど原材料や品質にこだわることは技術的にできなかったため、
そのまま(ストレート)で味わうには適していませんでした。
そのため、「お酒を飲む」とはつまり、
何かと混ぜてお酒を飲む」ということを一般的に意味していました。

古代ローマでは、ワインに水を混ぜて、
古代エジプトでは、ビールにハチミツや生姜を加えて、
紀元640年ごろの中国(唐)では、ワインに馬乳を加えた、
乳酸飲料が飲まれていたと伝わっています。
この混ぜ合わせた飲み物のことを「カクテル」と言います。

そんな「まぜまぜ」の文化の中で「ポンチ」は誕生しました。
「ポンチ」の語源にあるのは、
「5」を意味するインド語のpanji(パンチャ)です。

「5」というワードから着想を得て、
インド人が発明したのか、
インドに住んでいたイギリス人(東インド会社)が作ったのか、
定かではありませんが、
パンチャとは、柑橘類や砂糖、スパイスといった
5種類の材料を使って作るお酒の名前として、定着しました。
現在も、「パンチ」というカクテルのお酒があります。

cocktail punch と検索すると、こんな画像が出てきます。

言葉の伝言ゲーム

もともとは、インドの言葉で「5」を意味する「panji」でしたが、
インドの外に伝言ゲームの形で広がっていく過程で、
「お酒」という意味として伝わりました。

しかし、オランダなどの地域には、また別の意味で伝わったようです。
(違う言葉や意味で伝わるって、伝言ゲームあるあるですね。)

パンチが「柑橘類などの5種類を混ぜたお酒」だったこともあり、
オランダには、「お酒」ではなく、
柑橘系の果汁」という意味で伝わりました。

徳川幕府の鎖国時代も
オランダ(と中国)とだけは貿易を行っていたからこそ、
日本では「お酒」という意味合いよりも、
こちらの「柑橘系の果汁」という意味合いで理解しているのかもしれません。

オランダの言葉でこの「柑橘系の果汁」を「pons」と言いいます。

フルーツポンチとお酒とポン酢は兄弟!?

んんんん…!?
pons…ぽんず…ポン酢…!?

そうです。あのポン酢とフルーツポンチ、カクテルのパンチは、
語源が同じなのです。
インドの言葉で「5」を意味する言葉から生まれた
生き別れの兄弟、とでも言ったところでしょうか。
この三兄弟、
街でばったり再開してもなかなか気付かなさそうです…。

まとめ

フルーツポンチのポンチって何?という素朴な問いからスタートした
まめ知識調べ学習でしたが、
まさかポン酢にたどり着くとは思っていませんでした。
ポンチとは、
まぜまぜしたお酒(カクテル)であり、
柑橘系の果汁であり、
「5」であるようです。

言葉の曖昧さから生まれる不思議なお名前です。

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