私はどうやって単純ロジカルコンサルタントから脱皮したのか?役立った10冊

私は2012年に新卒で外資系のコンサルティング会社に入社をしました。そこで徹底的に鍛えられた要素の一つが、論理的に物事を考える、ということです。

経営計画、営業戦略、新規事業、様々な提言をクライアントにしていく上で、「なんでそれなの?」「なぜ私達がそれをやるべきなの?」「それなら〇〇ということもいえるんじゃないの?」という疑問がお客さん側に湧き上がるのは当然で、それに対してコンサルタントとして「それはですね...」と答えられなきゃいけません。検討の前提としている事実は何か、そこに含めている推論はなにか、推論の妥当性はどう検証しているか、、、などなど、丁寧に伝えていきます。
(ちなみに論理的思考、論理的主張、ということを考える上で下記の本が本当におすすめです)

ただし、論理的であるということだけではコンサルティングワークは全然うまくいきません

・論理的に正しい(っぽい)ことだけで組み上げられた提言は中身がうっすい総論になりがちで示唆がないこと多い
・論理的に正しいからといってお客さんがそれを受け入れ・動いてくれるわけではない
・そもそも組織は論理で動いているわけではない

論理的であることは当然として、その上にいろんなスパイスをつけていかないと、「顧客企業の経営・事業に貢献する」というコンサルティング事業のミッションを果たせません
私自身、ワークショップデザインにおける考え方やエンジニアリングにおける最適化問題などを学びながらちょっとずつ成長して、いまのように様々な仕事をして、価値を出せる人間になってきたのかなと思います。

なので今回は、私が「単なるロジカルコンサルタント」から脱皮する際に役立った書籍を紹介していこうと思います!

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会社の中はジレンマだらけ

人間関係が複雑で、感情も渦巻く仕事の現場には論理的に正しい絶対解なんてものはなくて、限られた情報のなかで「えいやっ」と決断することのほうが多いんだよそっちの能力のほうが大事だよ、という当たり前を認識させてくれる本。
論理的に解が見いだせない、どうしてもジレンマが出てしまう事業の現場において、そこまで見据えた示唆をお客さんに出してあげるための想像力をみがくために、ぜひ一読をおすすめします。特に新卒でコンサルタントになった人は。

ザ・会社改造

BCGご出身の三枝匡さんが、ミスミという会社をいかに現在のようなグローバル大企業に成長させてきたかを生々しく語った本。特に印象的なのは、中国進出時の失敗や、買収に向けた交渉の細かいところまで語ってくださっている点。経営者、事業責任を担う人が日々どんなことを悩み、向き合い、考えているのかが生々しく記された必読の一冊。

プロジェクトリーダーの教科書

著者の中鉢さんは、ITコンサルティングの領域で炎上プロジェクトの"火消し"を多く経験されてきた方。お客さんが怒ってしまった、営業が勝手に顧客と要件を握ってきてしまった、メンバーが突然退職する、、、プロジェクトにコミットする人間として、様々なリスクにどう向き合い準備するか。人としてどう向き合い、解決に導くか。
論理性を超えた、様々な人が集まる"プロジェクト"というものをいかに運営していくのか、そのTipsが詰まった本だと思います。

ビジネス・フォー・パンクス

オーナー経営者としての迫力は凄まじいものがあります。
イギリスでBREWDOGというビール会社の創業者による経営論。ロジックだけでは絶対に考えつかないマーケティング戦略、プロダクトへのこだわり、そこから学べることは多くあるはず。
「人の話は聞くな!でもCash is King、これだけは真実だ!」

レイジング・ザ・バー

これも同じくオーナー社長の物語。アメリカでCLIF Barというスポーツ・栄養バーを提供している会社の創業者による自伝です。
数十億円が手元に入ってくる買収の提案を最後に断り自立の道を歩み続けるその姿勢は、経済合理性を超えたところにあるビジネスマンとしての信念・理念を感じるところ。
「儲かればよい、そういう提案をするのがコンサルタントの仕事」という狭い考え方から抜け出て、経営者や先方の従業員、あるいは会社そのものが向かっていく先に深く共感することの大切さを教えてくれた本。

反応しない練習

ロジカルを突き詰めるなら、それを自分の感覚や感情にまで適用してみようか、というきっかけを与えてくれた本。他人をコントロールすることはできないんだから、相手の反応に反応する(怒る、妬む、恨む、などなど)のはおかしいよね、ということだったり、気持ちよく働くために大事なことを教えてもらいました。
お客さんがいろいろ無理を言おうと、思い通りにいかなかろうと、自分自身をコントロールすること、本当に大切。

観察の練習

良い提言にするために必要なファクトは、なにもアンケートやディープダイブインタビューからばかり得られるわけではありません。トヨタのかんばん方式がスーパーから、自動改札のきっぷの処理方法のアイディアが川を漂う葉っぱから着想されたように、日常にこそ発見すべき大事なファクトが隠れています。
この本を読んで以来、自分の身の回りのもの・人をしっかり観察するするようになりました。そこで得られたアイディアや、観察した人の動きが、お客さんに対して良い提案をする、人を動かす上でも参考になっています。
著者の菅さんの視点、観察の鋭さに驚かされるばかりの本書、おすすめです。

アルゴリズム思考術


理解の秘密

The GUILDの深津さんがTwitterでおすすめしていて、一時Amazonの中古価格が数万円に跳ね上がった本書。

「ロジカルに書いてあれば読み手は理解してくれるはず」そんな幻想を打ち砕いてくれる。理解の前提となるのは共通の背景理解であり、それがないと指示や提言(本書では"インストラクション"と表現されています)は受け手にとっての誤解を生むことになります。共通理解を構築する、あるいはインストラクションそのものが必要なくなるようなUXを設計する、そんな工夫をしないとな、と心に深く刻み込みました。

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以上10冊、いかがでしたでしょうか?
心の底からおすすめの本なので、ぜひご一読ください!!

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志/のぞみ
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