幼少期と青年期の引っ越しがもたらしたもの
「福岡で仕事を探さないか」
数日前に言われた父のひと言から、考えていることがある。
私は生まれ自体は福岡だが、1歳から幼稚園卒園まで、父親の職場である東京にいた。しかし、家族の都合で小学校入学から中学3年の一学期まで福岡に住み、それからまた東京に移り今に至る。
自分の意図が及ばない範囲で、場所が変わると言うのは、どういうものだろう。
そんなことを考えているが、二度目の東京に関しては、自分に選択権があった。しかし、この話が出る前、父親は1年間の単身赴任があった。そして、私に決断を求められたのが中学3年のGWだったのだ。
短期間で決められるはずがない内容なのだが、単身赴任を挟んでいたからか、家族バラバラなのが耐えられず、私は家族3人で東京へ行くことを決めたのだ。
そんな感じで決まった二度目の東京生活は、何度も人間関係に苦しみ、精神科や心療内科のお世話になった。
福岡に帰りたいけど、家族バラバラは嫌
苦しむたびに何度も思った。今でも思う。故に過去を振り返るのだろう。
東京と地方の差
大人になってから、福岡に戻るか悩むたびに指摘されることだが、頭ではわかっていても、どこか割り切れない部分があった。その理由がなぜなのか考えてみた。
3度の引っ越しがあり、在住年数で言えば東京のほうが長い。しかし、義務教育の大半を福岡で過ごした。高校や大学卒業に際して、という理由ではなく、取り巻く環境の都合で東京に出た。これらが、割り切れない大きな要因になっているように感じる。
家の都合で転出入を繰り返すのは仕方ない、東京で生活するのが一番いい。そう思って生活していたのだが、父のひと言から思わぬ本音が現れた。
もっと早く気付けていれば。そんなふうに思うこともあるが、気付けないよりはマシだと思うことにする。