2022年 気象大学校受験記②

前回に引き続き、今回も気象大学校の受験記を書いていく。今回からはいよいよ試験当日について書いていく。

1日目

自宅から1時間半かけて試験会場に到着。車中で昼食を済ませ、11時50分に入館。12時まで待機したのち、大会議室に入室した。受験者は30名弱で、一人につき一つの長机が使える環境であった。想像以上に快適だった。
トイレを済ませ、入口にて配布された「受験心得」を熟読する。これは第2次試験でも用いる重要な書類である。
しばらくして試験官が入室した。その数は3名。全員マスクに加えてフェイスシールドをしていた。

学科試験(多肢選択式)

12時30分、試験の説明が始まった。問題や答案用紙、それに白紙の計算用紙が配布された。10分ほど続いた。
それからまた10分ほど待機して、12時50分、ようやく試験が始まった。

私は英語→物理→数学の順に解いた。

過去問を解く際、苦手な数学には1時間かけた一方、英語は30分以内には終わらせていた。難易度としても共通テストレベルと高をくくっていた。
しかし、本番は練習とは違う。読めない。普段ならものの数分で問題まで解ききるような英文が、10分経っても読み終わらないのである。焦ることはないと言い聞かせ、それでもなお時計を気にしつつ問題を解き進めた。
さらに文法問題もひとつ分からず、運に任せるほかなかった。
結果、60分ほどかかった。尋常でない遅さである。

続いて物理に取り掛かる。しかし早速、自分の出した答えと選択肢とが合わないという事態に陥った。改めて見直すと、問題文には「距離」とあった。一方私は「変位」を計算していた。こうした早とちりが試験にはつきものである。
さらに解き進めると、勉強の手薄な半導体の問題が見えた。ちょっと考えるがよくわからない。再び運に身を委ねるほかなく、まんべんなく学ぶことの重要性を痛感した。
物理も40分ほどかかった。これまた遅い。

最後に数学に取り掛かった。
過去問でも不正解が多かった。特に図形問題は方針も立たず撃沈することもあった。しかし今回は余弦定理、相似を用いるもので方針はすぐ立った。他の問題に関しても方針は立ち、全問解答することができた。
こちらは過去問と同様、60分ほどで終わった。
最終的に160分もかかった。本番は練習とは違うのだということを身を以て体感した。見直しも済ませて試験終了。

3時間に及ぶ長い試験を終え、部屋の外の空気を吸ったのちに、次の試験に臨んだ。

作文試験

16時5分、説明が始まり、問題と作文用紙が配布された。5分ほどで終わり、そこからしばらく待つ。作文のお題は何かということに意識を向けていると16時20分に試験が始まった。
さっそくお題を確認する。「未来に伝えたい大事なこと」。自由度の高く、また2020年の「歴史から現代社会に生きる私たちが学べることについて」と呼応するかのような問いであった。

私は真っ先に「歴史は繰り返す」ということを思いついた。これは昨晩父と、2020年の問題について考えたからであった。
構成としては、序論で「歴史は繰り返す」と提示し、本論でその実例を挙げ、結論で「歴史は繰り返す、ゆえに現在も未来においても、歴史を学び、教訓を得なければならない」とすることに決めた。
実例としては二度の世界大戦、核兵器の使用が考えられた。これら二つは、2022年現在、再度繰り返される可能性が高まっていることでもある。

実際その通りに筆を進めると、思いのほかすんなりと600字近く埋まった。ふと時計を見ると、40分ほど経っていた。残りの10分余りで全体を見直し、重複表現を書き直したりして、試験終了。文章や構成の巧拙はさておき、内容はよっほど公務員として外れたものでもないだろうと、自信をもって提出した。
なお、終了後、父に「みんな東日本大震災のことを書くんじゃないか?」と言われた。目から鱗が落ちたが、もうどうしようもないことである。

今回は一日目について書いた。次回は二日目について書いていく。
ここまで読んでくださり誠にありがとうございました。

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