おすそわけるメイドインワリオの感想文
テンポ良く課題をこなして行くゲームで有名なメイドインワリオからの最新作、2021年9月10日発売Nintendo Switch用ソフトおすそわけるメイドインワリオをプレイした。年の瀬にひとつ前のタイトルであるメイドインワリオゴージャスを購入しプレイしたところ、激ハマりしてしまいその勢いで最新作も購入。
私はメイドインワリオのナンバリングタイトルをほとんどプレイしたことがなく一番最初に出たゲームボーイアドバイスの1作目だけ遊んでいた。全く手をつけていないタイトルなのにどうして興味持ったかと言うと、やはりスマブラSPでメイドインワリオの要素を垣間見ていたからである。例えば、キャラクターのアシュリーだとか楽曲のアシュリーのテーマだとかその辺りがフックとなり購入してしまった。
おすそわけるメイドインワリオは今までのタイトルと異なり大幅に入力の面が変更されている。そういった面から従来の作品との比較をして書いて行きたいと思う。
今作の大きな変更点
大幅に変更されたシステムはキャラクターを操作して課せられたお題を成功させるという点だ。従来のメイドインワリオは決められた入力をすることでお題を成功させることがプレイヤーに求められることであった。
例えば、「よけろ」という車が突っ込んでくるお題に対して「ジャンプ」をするというAボタンの入力で正面から来る車を回避する。まれに車が跳ね上がり頭上を通過するためAボタンを押さず「ジャンプ」をしないというのがプレイヤーができる判断であり入力である。
今作はキャラクターごとに異なる入力がありお題を成功させることがプレイヤーに求められている。
従来は1つのお題に対して1つの入力であったのが、1つのお題に対してキャラクター人数分の入力があるという事である。
この説明だけでも今作の遊びのボリュームが凄いことは伝わるだろう。
https://www.nintendo.co.jp/switch/aw7na/character/
↑おすそわけるメイドインワリオのキャラクター紹介
遊びの幅が広がったミニゲームたち
上記の変更によってより一層メイドインワリオが面白くなったか?と言われると実はそんなことは無く、個人的にはかなり厳しいゲームに仕上がっていると感じられる。それは何故かと言うとお題に対する成功体験へのハードルがかなり高くなってしまっている事が原因だと思う。おすそわけるメイドインワリオはキャラクターを選択してそのキャラクターでお題をクリアしていくのが、ストーリーモードでは複数のキャラクターを選択してミニゲームのお題に挑まないといけない。出題されるお題と毎回チェンジするキャラクターの組み合わせで、お題に対する成功を成し遂げなければならない。
従来のメイドインワリオはプレイヤー個人の苦手なお題を対策すればよかったが、今作はキャラクターごとにアクションがあるためプレイヤーがキャラクターに対して得意不得意が出てくる。そしてキャラクターが起こせるアクションで得意なお題や苦手なお題というのも出てくるため、プレイヤーが苦手なお題、プレイヤーが苦手なキャラクター、キャラクターが苦手なお題と重なってしまうと、もうお手上げの状態になってしまう。これが成功体験へのハードルが高いと感じてしまった要素である。ただし、これは難しい要素が重なった条件であってその逆もある。キャラクターが圧倒的に得意としているお題がある。例えば瞬間移動のアクションができるファイブワットはスタートからゴールを目指せというお題を何の弊害もなく終わらせることが出来る。キャラクターがお題と嚙み合った時は一瞬で成功してしまうため、ある種ズルをしているような感覚になる。これが一生続くとなると簡単すぎて退屈になってしまうが、お題を数多く成功させ記録を更新していくメイドインワリオにおいて、刹那的に流れてくるミニゲームの中で休憩的な状況が作り出せるのは良いと思うしお題数も稼げるため得した気分になれる。滅茶苦茶に難しい状況と圧倒的に有利な状況このふたつのバランス感覚を体験できるのは今作特有の遊びであるかなと思う。
何をおすそわけるのか?
そりゃもうジョイコンなのだが、実際にプレイしてみるとジョイコンだけというわけでもなさそうだ。何をおすそわけるのかと言うとミニゲームの難易度とキャラクターの可愛さである。
ミニゲームの難易度とは
前の項目であるように非常に難易度が高くなる瞬間が存在する。そういった時におすそわけプレイをしておくことで、お題にを速く楽に成功することができるだろう。お題に選出された時に選ばれたキャラクターが相性が悪かった場合は見てるだけといった選択ができる。おすそわけた相手にお題を丸投げ出来てしまうというのが今作のメイドインワリオなのである。
1人が頑張れば成功するお題ならこれで問題ないが、おすそわけプレイをした時だけお題がおすそわけプレイ用に2人で進めないといけない内容に変化する場合がある。今作に「タワーブリッジ」というお題がある。川から船が来たら橋を上げ、道から車が来たら橋を下げて事故が無いように交通誘導するといった内容だ。これは1人でプレイする時は片方を動作させると、もう片方も自動で動作するという仕組みになっている。2人でプレイする場合は各々意思で橋を動作できるため現実で声を掛け合ってプレイする状況になる。これを見るとひとりでプレイするのは味気ない気がしてしまう。
補足:ソロプレイヤーが目指すべき道
今作のミニゲームはおすそわけプレイをした方がおもしろいものお題ばかりで従来のメイドインワリオの様に1人でコツコツやるゲームではなくなってしまったのかもしれない。ただソロプレイヤーの皆が絶望する必要はない。ワリオカップという毎週開かれるスコアやタイムを競うモードがある。これは決められたお題、時には決められたキャラクターでハイスコアやベストタイムを狙う言わばスコアアタックのモードがある。これは完全に理詰めでできるため、不安要素を徹底的にプレイヤースキルでカバーすることができる。ワリオカップが開催している間はソロプレイヤーはここを目指すのが良いだろう。
キャラクターの可愛さとは
今作のキャラクターたちは3Dモデルでかなり等身が低いデザインになっている。サンエックスのすみっコぐらしみたいになっているためとてもキュートである。
このキュートなキャラクターの何をおすそわけるかというと、ゲーム内で動くキャラクターそのものだ。どういう事かというと一部のキャラクターがおすそわけプレイを意識した作りになっていてソロプレイだと不完全なキャラクターとして生まれてしまったからである。ドリブルとスピッツ、カットとアナの様に右左どちらかの方向にしかアクションが起こせないのはソロプレイ時にかなり厳しい制約になる。そのため基本的には選ぶことのないキャラクターになってしまう。だが、おすそわけプレイの際には自分がお題に不利なキャラクターをピックアップしても相方と難易度をおすそわけしているため、ミニゲーム自体も苦ではない。それに相方がカットを選んだらアナを選びたくなってしまう情が湧いてくるが故にソロプレイでは使わない様なキャラクターでもゲーム内で動いている姿を楽しめるというわけだ。
おすそわけプレイのせいでこの様なアクションの制約が強いキャラクターが生まれてしまったと思うが、それを解決するのはまたおすそわけプレイなのである。
キャラクターの好き嫌いがわかるさしいれ
前作のメイドインワリオゴージャスのおまけはミニゲームをクリアして手に入れたコインでガチャガチャを回して任天堂の歴史がわかる書類やアテレコムービーなどを手に入れることが出来た。(本当に興味深い物が多く必死にコインを集めてしまった)
メイドインワリオらしいメタ的な視点のおまけなためゲームの雰囲気にマッチしていたと思う。そして今作のおまけ要素はキャラクター達にプレゼントを渡せる「さしいれ」というモードである。キャラクターたちにさしいれを渡して一定の数値が溜まればカラーリングやギャラリーが解放される。おまけの要素はそれだけなのだが、このモードの価値は他に存在する。
下の画像を見てわかるように、さしいれをしたアイテムはスキ/ビミョーという表が埋められていく。この表からキャラクターの好む傾向というのが見えてくるため、少しずつではあるがキャラクターたちのプライベートが明らかになってくる。メイドインワリオは前作のゴージャスからキャラクターにボイスがつき喋るようになった。ボイスがついたことによりキャラクターたちが活き活きとし始めた段階であるため、このスキ/ビミョー表はかなりの価値があるのではないか。個人的にメイドインワリオシリーズはキャラクターたちがゲームの魅力のひとつでもあると考えているため、キャラクターがより深く知れるのは嬉しい限りである。
ただ、すべてのアイテムが全キャラクターをカバーしているため正直いうと精度はそこまで高くないのかなとは思ってしまった。最上位のスキ以外は本当かな?本当にその感情か?と思ってしまう部分もあった。
総評
このゲームを最大限に楽しむにはおすそわけプレイは必要不可欠であり、ソロプレイヤーには非常に厳しい仕様になってしまったのかと感じた。極端なバランスのために長期的にプレイするのは難しい。ただ、メイドインワリオシリーズのキャラクターが好きな方であれば新しい発見があったり、可愛らしい3Dモデルを堪能できると思うのでオススメする。
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