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4/18 破竹の労働

久しぶりに長年行っていなかった中央区に足を踏み入れた。
かつての亡霊のような気持ちで、過労死寸前の労働をしていた頃の名残がある場所。今日は労働ではなく展示を見に来た。

ParaScape by Kazuki Umezawa, Taishi Urakawa, Hal Matsuda
ParaScape by Kazuki Umezawa, Taishi Urakawa, Hal Matsuda
ParaScape by Kazuki Umezawa, Taishi Urakawa, Hal Matsuda
ParaScape by Kazuki Umezawa, Taishi Urakawa, Hal Matsuda
この絵に一番惹かれた


Contemporary HEISという茅場町の近くにある、ちょうど今日20日までの会期の展示だ。久しぶりの展示は一部屋だけのシンプルな場所だったが、作品たちは電脳化した後の脳の脳波を採取したらこんな景色になるのでは?と思わせるものたちだった。私は脳を電脳化することに少しだけ好奇心がある。自分の記憶や言語を司る大切なパートの脳が電気で動かせるようになったら、多くの不具合を持つ人たちにとっては自由の、不具合がなくとも恒久の命に興味がある人たちにとっては格好の遊び道具になるに違いない。
梅ラボさんという方の展示には、そんな遊び心と好奇心を思い出させる仕掛けがあった。現代美術とは、現代社会を観察し考察を反映させた作品を作る人たちのことを指すと思う。こういう展示を見るのは東京である場合が多いけれど、先日行った横浜トリエンナーレのように、最近では東京以外の都市や場所でも芸術祭が行われるようになって久しい。最近だと千葉の百年芸術祭や、山梨県の富士吉田で行われたFuji Textile Weekなど。フェスや音楽イベントとはまた違う、作品を見にいくトリエンナーレには国内外から多くの作家が集まる。一方で都市に集中している個展ができるようなギャラリーでの展示では、その作家性や世界の構築の仕方がより如実に表れる点が面白い。オフィス街の真ん中にひっそりと佇む場所での個展は、過労死寸前のあの時の私が見ていたら三途の川の向こう側の景色と見間違っていたかもしれない。それくらい人間の頭のなかに希望を持てる展示だった。

都内まで電車で約1時間くらいでつけるようになったけれど、やっぱり週に一回くらいの遠出で十分楽しめる。週二、三と増えるとどうしても疲労が先に来るから、街に出るのは週に一回、本当は月に二回くらいが心地が良い。

たけのこの季節がやってきた。土を被った表面の皮が水を弾く。みずみずしさと若く苦い香りがする。市場でも大きな山が並んでいる。たけのこを土に植えたら、竹が生えたりするのだろうか?竹はとにかく強いから、植えるのにもそれなりの覚悟が必要だ。この前買ったばかりのたけのこをキッチンに置きっぱなしにしていたら、数日たって不穏な香りがするようになった。もう食材にする野菜を冷蔵庫以外の場所に置いてはいけない季節が来た。たけのこ、ごめんね。次はきっとアク抜きして食べますから。たけのこのおばけになって出てきてもいいよ。

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