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「留学本当に必要?」by 海外留学中院生[大学院留学日記#2]
#2です、よろしくお願いします。
早くもこちらにきて1ヶ月が経ちました。なんとセメスター1が折り返し地点ということで、中間提出の課題に追われていますが、正直学部のときの負担と比べると体感1/3くらいに感じます。心地よい圧がかかっているような感じ。オーロラなんかも見えたりして、作業している自分がまるでなにかすごいことをしている錯覚に陥ったりもしていました。
引っ越しました: 自分で変えられることを優先するという話
とはいえ平穏な日々だったかといいますとそんなことはなく、結論からいいますと引っ越しました。記事にするほどのことでもないのですが、原因は騒音です。同じフラットの学生が毎日のように就寝時間を過ぎても共用キッチンでパーティーをしており、この手の人間はだいたい何を言われても学ばないと直感が教えてくれていたので状況を大学の担当課に伝えて引っ越しの手配をしました。例外として色んな支払いをせず差額分の支払いだけで住みました。
文化的差異や局地的な習慣を盾に規範を守らない輩はどこにでもいます。
どこまでこういうことを書くとポ〇コレ界隈でアウトなのかラインがわかりませんが、一応書いておくとこれに人種は関係ありません。うるさかったのは特定の人種ですが、どこでもこういう輩はいます。あと仲間がいると安心して気が緩むのはどこも変わりません。ただ海外のほうが尤もらしいというか、理不尽を当たり前のように通してくることは多いと思います。
最初に対話を試みて、伝わっていなさそうなら諦めて自分が変わりましょう。みんなキレて一方を排斥する形に落ち着きますが、だいたい悪い方にしかいきません。どうせ難渋することになるのは確定しているわけですから、心まで疲弊させる真似はやめましょう。
僕以外に二人ほど被害者がいて、彼らはある日沸点に達してブチギレてしまったようで、キッチンで3vs3の冷戦みたいな構図が当たり前になってしまいました。お互い無視とかではなくて「ご機嫌いかが?」みたいな誰やねん目線の会話しかない週がありました。姑小姑のそれ。
大学の課に僕から相談してみたら彼らも今無償で引っ越せる方向に動いているようです。彼らはPhDでここにきていて、5年もこの悪夢と付き合うのはあまりにも可哀想。いい知らせを祈るばかりです。
問題に直面したときに大事なのは、少し損してでも自分でなんとかする選択肢を取る勇気だと思っています。信用できる友人が増えると、この主語が[自分たち]になる。友人が増えるメリットはこういう助け合えるつながりだと思います。今の家は大学まで徒歩15分くらいで最高!狭さが心地良い。
留学の価値を考えよう
今回は、留学の価値を考える記事です。
僕自身はコスパで考えたら留学はペイしないと考えています。
つまり金銭的尺度で測れない部分にどれくらいあなたが留学の価値を見出しているかがすべてだと思っています。そして、その見出した価値が他のもので代替可能なことも多いのです。
留学を検討してこれを見てくださっている方が多いと思います。その人達に「いかなくてもいい」というつもりはありません。ただ要素還元的に見たときに、代替案がないわけではないことが伝わればいいなと思います。
日本の大学が留学を勧める理由を対象に1つずつ考えていきましょう。
理由1: 外国語コミュニケーション力が向上する
留学で得られるスキルのうち、最も実践的なスキルが語学力です。海外での「暮らし」では、日々の生活のすべての場面が言語を学ぶフィールドになります。授業や教科書から学んだ言語が海外生活の一場面でどのような使われ方をするのか、その国の文化を自ら体験しながら、実践的に学ぶことができます。現地の言葉で相手の発言を理解し、自分の感情、意思、意見を表現して伝えるスキルが身につきます。
そもそも論で恐縮ですが、今どき、留学しないと向上しない人は、海外行っても無理だと思っています。ある程度話すことに抵抗がなく、聞く機会を増やしつつ、英語「を」ではなく英語「で」何かを学びたいという具体的な目標がある場合は、この理由は正当かなと思います。
特に、留学は極端かつ最終的な手段であることを認識しておくことは重要です。日本の印象は海外から見ても相当良く、日本で日本人として英語を話せることは(その熟練度にかかわらず)相当アドで、色々な場所に機会が転がっていると思います。英会話アプリの〇〇が〜みたいな話はしませんので、別の記事を探してください(笑)。
理由2: 異文化適応力
異なる文化の中で生活するにあたって、外国語スキルとともに必要なのが、異文化適応力です。観光を目的とする旅行とは異なり、留学では自分自身がその土地・地域の一員として生活することになります。地域の一員として、その土地の人々の考え方や行動を理解・尊重し、自分自身のアイデンティティや価値観と向き合い、時に調整をしながら、新しい環境に適応するプロセスを経験することでしょう。異文化に適応する能力は、外国での生活に限らず、卒業後に仕事をする際や多様なバックグラウンドを持つ人々と協働して活動する際に役立つ力です。
間違いねえ…インド人の印象が強烈すぎてほかが霞んで見えるけれど。
これは非常に大きいと思います。私自身が「マイノリティとして生活する」体験ができることを留学の一つの理由にしています。
日本は単一民族国家です。基本的にどこにいても広義的にはコンフォートゾーンの域で生活していて、海外はその例外でしょう。短期旅行くらいではまあ新鮮な体験かもしれませんが、生活に根付く差別とか、ヘイトではないが明らかに対応が違う体験に慣れる(耐性をつける)のは長期留学することのユニークなメリットだと思います。
理由3: 柔軟な思考力
海外での生活では、日本にはない文化・慣習・価値観・考え方に触れることができます。日本では「当たり前」「常識」とされている考え方や物の見方が、他の国ではそうでなく戸惑ったり苛立ったりすることもあるかもしれません。そんな時こそ、自分のもつ固定概念について考え直す絶好の機会です。自分の中にある「こうあるべき」という固定概念が取り払われると、ものの見方・考え方の幅が格段に広がり、柔軟な思考力をもって今までに見えなかったアイデアや選択肢にも気づくはずです。
ひ、ひとによるなあ…これはちょっと難しいけど、自分では考えられない行動を平気でやる人って結構いるんだなというのは感じますね。それに動じなくなるのも、成長かもしれません。でもそういう人って赤羽とか西新井でも見たしなあ。考え方がすごい人は日本にもいますからね。これはまあ+αくらいに見ておくのがいいと思います。
理由4: 問題解決力・忍耐・自立
海外での生活では、言語や文化の異なる環境で日々学ぶことが多く刺激的な一方で、「市役所での手続きがスムーズにいかない」「大学での履修登録の方法がわからない」など小さな困難にも遭遇することでしょう。一つの用事や目的を完了するために、情報収集をしたり、周りの人に相談・交渉したり、物事と根気強く向き合うことの繰り返しです。このような生活を続けることで、どんな状況でも物事を途中であきらめず、粘り強く取り組む姿勢を身につけることができます。… 留学時に初めて一人暮らしを経験する学生もいます。親元を離れて生活するということはどのようなスキルが必要なのか。掃除、洗濯、食事の手配、健康管理、お金の管理など、生きていくうえで勉強以外に必要なスキルはこんなにあります。
大金を支払って独り身で異国に来ているので、「やるしかねえ」マインドが醸成されるのは間違いありません。先述のように「自分で解決できることは全部やる」というのもここに入りますかね。こういうスキルが必要な留学生活を送ると、孤高の戦士寄りになることは間違いないでしょう。僕がそうなので…でも帰国したあと多分すべてが恵まれた環境に感じるし、誰にでも優しくなれると思います(笑)。
あ、あと毎日弁当を作って夜遅くまで起きて食器を洗ってくれていた母の愛をじんじんと感じる日が続きます。家族とは仲良く。
理由5: アウェアネス
日本にいると当たり前の文化や習慣が、海外の人から見ると非常に魅力的だったり、日本に興味を持ってあれこれ質問してもらえる場面があります。日本での暮らしでは意識が及ばない日本の良さや日本独自の文化について認識するまたとない機会であり、その気づきが日本社会のとらえ方を大きく変えることもあります。また、海外での暮らしのなかで日本と異なる文化・習慣・考え方・政治経済・法律・社会福祉制度などを知ることで、日本が抱える課題にも気づくでしょう。学生時代に日本を一歩出て「日本の良さ」「日本の課題」を発見することは、社会の構成員として自分自身に何ができるかを考える貴重な原体験になり得ます。
引用は海外から見た日本という視点で書かれていますが、地球市民としてのグローバル問題へのアウェアネスも向上するでしょう。キャンパスに行けばデモをやっていたり、自国の政策について熱心に語っている生徒が嫌でも目に入るからです。平和で、移民が少ない国に住んでいると難しいことを考えずに生きていけるので日本人は恵まれていると思いますが、一度海外で暮せばそうではない人たちに少なからず刺激を受けると思います。そうした刺激がのちに帰国した際、あなたのアンテナを強くするのは間違いないでしょう。あなたがニュースオタク・ドキュメンタリーオタクであれば話は違ってきますが…。
理由6: 出会い
もちろん、留学や語学の習得は何歳になってもできます。しかし、大学時代に外国語でのコミュニケーション力や上記の資質を身につけることで、その後の人生で出会う人、得られる情報、関わる活動の幅が日本国内から海外へと広がることでしょう。異文化適応力があるからこそ関係を築ける海外の人脈、外国語コミュニケーション力があるからこそ得られる知識・情報、行動力があるからこそできる国内外での活動など、大学時代の留学経験をもとにその後の人生の選択肢が日本から海外へ広がります。
あなたの語学学習の仕上げとして留学を考えているなら、いい手だと思います。引用にあるように、あなたの世界が広がった状態で出会い・人脈を作れるからです。この2つは人生においていちばん大事。言語の壁でそれらをフル活用できないのは勿体ないので、行く前から「良い出会いをしよう」と意識的に動くのはとてもいいと思います。僕もこれは渡航前から意識的に計画していました。
留学は交換留学を強くおすすめします。上に書いてきたような利益を全部享受できて、相当安く済むからです。交換留学の期間は3〜12ヶ月が主流。体が異国になじんだタイミングで帰国となるので、体験した記憶や考えが新鮮な間にそれを日本で実践に移せる最高の制度だと思います。フル活用をおすすめします。
まとめ
なんだかまとまりのない記事になってしまいました。すみません。
追記: 僕自身の留学理由は前回書いた通りで、それしかなかったからです。(厳密に言うと、海外大を出たため日本の大学院に仕組み的に行きにくかったというのもあります。) :追記終
色々書いてきたものの、とんでもないフラットメイトに出会ったり、行きたくもないプログラムにいかない限りは、終わったときは間違いなく何にも変えられない達成感があると思います。後悔するのは往々にしてその数年後か、留学したての頃だけな気がします。
ただ、金銭的余裕や人生設計上、人よりシリアスに留学について考えなければ行けない人がいるのも事実。そういう人は是非大いに悩んで、自分の人生何に賭けるのがよいか考えてみてください。僕も沢山の人に支えてもらって今ここにいます。コメントやDMを貰えればぜひお力になります。
次回はようやく学んでいること共有をしようと思っています。お楽しみに!
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