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【わたしとバレエ 6】 発表会での出来事〜レッスンできる場所を探して

恩師からのメール

大学生になって半年が過ぎた。

地元の先生からの手紙を読んでから、それでも踊りたい気持ちは変わらず、悶々とした日々を過ごしていた。環境を大きく変えることが難しい今、私が踊り手としてバレエと向き合うのは現実的ではないと思った。

秋も深まった頃、恩師からメールが届いた。

「大変な大学生活を送っていることと思います。実はまた発表会のアナウンスをお願いしたいのですが、スケジュールの都合はつきますか?」

あっという間に前回の発表会から1年半が経っていた。アナウンスの役目はあるものの、その日は1日発表会の舞台を見ることができる。

灰色の毎日の中で、その土日だけは鮮やかな色を塗れるような感覚だった。
私はすぐに「行きます」と返信した。


1年半ぶりの発表会で

発表会の催される会場は大学から新幹線を使っても2時間以上はかかるため、あらかじめ行動予定を事細かに作成しなければならなかった。行動計画の書類を提出して、朝8時に大学を出て大急ぎで新幹線のある駅まで向かい、本番前のゲネプロ(本番同様のリハーサル)に間に合うように会場に着く必要があった。

距離にして約150 km、1つでも計画通りに行かないと間に合わない中、様々な方の協力で、私はなんとか会場に到着することができた。

舞台に吊り下げられたジョーゼットの幕。
リノリウムにポワントが鳴る音。
目が開けられないほどに強い照明。

あまりにも環境が変わってしまった私にとって、1年半ぶりの発表会は非日常そのものだった。

この時の演目はくるみ割り人形。15歳までのバレエ歴の中で何度も踊って繰り返し聴いた曲ばかり。中でも一番好きだったコーダの曲が流れた途端、全身の血が熱くなるのを感じた。

発表会が終わると、あるお母さんが私に向かって言った。

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