見出し画像

013 WBとBBの回数

WBとBBとグレースケール

ダイクロイックプリズムの話

ダイクロイックプリズムと2/3インチ3板式CCD

左端の黒いギザギザがレンズが付くB4マウント。
中央のビスが2本ある部分がダイクロイックプリズム。
光は上、下、右の緑の基盤にあるCCD(C-MOS)に入る仕組み。

レンズを通った光はダイクロイックプリズムでRGB(赤緑青の光の三原色)に分けられ、直線方向にG、反射されB、Rに入ります。
下側のCCDを外してみました。
これが2/3インチの撮像素子でいわゆる3板式という放送用カメラの基本です。
※古いので4:3のアスペクト。
※最近のカメラは単盤(撮像素子が1枚)なので、素子の前にRGBのフィルムで色分けし、複数点から計算しています。

何で白と黒?

ここでそれぞれの撮像素子の出力を合わせるためにホワイトバランス(WB)とブラックバランス(BB)を取ります。
WBとBBを取った時の色ズレ(バランス)をベクトルスコープで測ると収れんしていく過程が見えます。
各色が合わないと白や黒(無彩色)にならないので、スコープの中心から円形に色味が面積として見えて収れんする中心の1点だけになります。

WB、BBを合わせる

出力がバラバラの状態からまずWBを取ると100%白では合いますが0%に近いBBはずれたままです。
そこでBBを取ると、せっかく取ったWBが微妙にずれます。
再びWBを取るとそれぞれ合致してバランスが取れます。
即ち作業としては、
WB~BB~WB
の順番です。
ちなみに、これ以上WB、BBを取っても時間の無駄です。
WBは光が変わるたびに取り直す必要がありますが、BBは1日1回でOK。
これがお約束の作業で「白バラ」とか「白取る」などと略されます。
WBを取る時はIRISオートにします。
ただ、業務用の小型カメラはそもそもBBが無いのが多いかも。 

村上色彩のグレースケール と フランジバック調整用チャート

WBを取る時は村上色彩のグレースケール(左)を使います。

余計な話ですが右側はフランジバック調整用チャート。
フランジバックはバックフォーカスとも言い、レンズの後ろ玉~撮像素子までの距離。

左:インフォーカス    右:アウトフォーカス

フォーカスが少しでもずれるとすぐに中央が白っぽく見えます。
チョット分かりずらいかな・・・
実際に見ると一目瞭然なんですが。
レンズ交換してバックフォーカスを合わせる時に使います。
裏技ってほどでもないのですが厳密なピント合わせの必要な物撮りで便利に使えます。
グレスケは40年近く使ってボロボロですがメッチャ高価なので買い替え無しですが、フランジチャートは持ってると便利かも(笑)

位置と角度

グレスケの位置と角度はとても微妙で、
その時の主光源を受ける」
ようにすることが基本です。
グレスケの角度が空向きか地面向きかで色温度が異なります。 

自動追尾WB

あまり使わないと思いますが自動追尾WBについて。
カメラはWBを自動追尾すると色がコロコロ変わるのでディレーを入れて、数秒遅れでじわっとWBが合うようにできています。
なので室内外の出入りなどには注意が必要です。 

非常用グレスケ

非常用としてWBを取れるモノ。

コピー用紙(白色のもの)
 
最後にもひとつ。
大丈夫だとは思いますが。

色温度

色温度は明るさとは全く関係ないので、色温度の低い順に並べると、
ろうそくの灯~白熱灯~ハロゲン(タングステン)ライト~白色蛍光灯~太陽光~曇りや雨~晴天青空光
となりますので再確認を。
詳細は、

をどうぞ。
WBとBBは何回?というご質問があったので急きょ内容を合わせました。
最後までお読みくださりありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?