よく見る夢の話。 誰かに馬乗りになって、僕はその人の顔を殴りまくる。 相手は夢によって変わるけれど、恋人だったり、友達、親族の時もある。 そして目を覚ました時には、心が少しスッキリしている。 あまりにその類の夢を見るものだから、自分は精神異常者なのではないかと不安になってくる。 しかし精神科に行く程でもないし、友達に相談したら、ドン引きされてしまいそうだ。なので僕はそれをChatGPT相談してみることにした。 僕はChatGPTの事は、割と信頼している。仕事の資料も大体Ch
休職していた頃、ハプニングバーに通っていた。 ハプニングバーについて軽く説明をすると(あくまで僕が通っていた店についてだけれど)、バーの店内にプレイルームと呼ばれる部屋があり、男女がその中で行為に及ぶお店である。 バースペースとプレイルームは区切られており、バースペースで女性を口説いて、合意があればプレイルームに移動する。 店内には常時20〜50人ほどの男女の客がいて、男女比はだいたい男7:女3である。 女性の年齢層は20代後半から30代中盤が多く、驚く事に綺麗な人が多い。
先日メンズエステに行った際に、担当してくれたセラピストの女の子と意気投合した。 マッサージはそこそこに、2人共半裸の状態で会話は弾み、LINEを交換した。 次の日にはおでん屋に飲みに行き、そのまま女の子の家に上がり込んだ。 酔っ払いながらディズニーランドの話になり、それでは2人で行こう!という事になった。 僕はちょうど休職中で暇を持て余していたし、メンズエステの女の子もシフトは自由に調整できた。 あれよあれよと話は進んでいって、僕は気がつくと舞浜駅で3日前にメンズエステで
2週間に1回、三鷹にある心療内科に通っている。 体調を崩した当初はその心療内科が最寄りの病院であったのだけれど、本格的に体調を崩してからは自由が丘の実家に戻ったから、片道2時間半くらいかけて通っている。 自由が丘の自宅から三鷹は電車で1時間半程度で到着する。しかし僕は三鷹駅を使用したくない。というのも、三鷹駅には休職中の会社のオフィスがあって、そこで働く人とバッタリ出くわすのが怖いからだ。 だから僕は、井の頭公園駅で降りて、三鷹駅まで歩く事にしている。すると片道2時間半かかっ
いつもの様に駅前のドトールで勉強をしていると、大学生と思われる女子3人組が、空席を探して右往左往としていた。 僕は視界の隅で辺りを見渡したが、3人が同席できるテーブルはどこも埋まっていた。 しかし、どうやら僕が隣のテーブルにズレてやると、その子達が座れるスペースが出来ることが分かった。 僕は席をズレるべきか迷った。 その子達は若い異性だったから、下心だと思われるのが癪だったし、万が一セクハラだなんて思われたら、このドトールにも来づらくなってしまう。 何かのキッカケで彼女達
「そんなイケメンで背も高くて、沢山セフレがいるんでしょ」 と女は尋ねてきた。 女は僕の顔を真っ直ぐと見つめていた。瞳は幾分潤んでいる様に見えた。 僕が無言で見つめ返すと、女は左の薬指で唇を触った。 僕は自分のルックスについて考えた。 身長について考えた。 年収、生まれ育ちについて考えた。 フラットに考えれば、考えるほど、僕は恵まれていた。手札にはジョーカーがあったし、エースも何枚かあった。 「もっと上手くやれたはずなのに、お前は何故その程度なんだ?」 もう1人の僕が、胸
大学生の頃、オーストラリアのブリスベンに短期留学した。 僕は語学学校に通っており、世界各国から様々な人種の人達が集まっていた。 象徴的だったのは、中国人だけが別クラスであったという事だ。 事情を探ると、「アイツらうるさいじゃん」という事だった。 直接的な差別に結構面食らった事を覚えている。 僕ら日本人は親日の、台湾やタイランドの生徒と仲が良かった。 韓国人とはなんだかギクシャクしていた。 また台湾人と中国人も仲が悪いようで、僕らも中国人を敬遠する様になった。 僕はその複
中目黒で信号待ちをしていると、6車線道路の真ん中に鳩が止まった。 鳩は車が来ると、反対車線に飛んで逃げて、 また違う車が来ると、また反対の車線に戻って逃げた。 鳩は歩行者道に逃げることなく、車線道路を逃げ回り続けた。 僕はそれをもどかしい気持ちで見ていた。 すぐそこに安全な場所があるのに、何故気が付かないのだろうか。と その哀れな鳩を見ていると、僕は自分とその鳩を重ねている事に気がついた。 僕も車通りの多い道路の上で、右往左往している、哀れな鳩なのかもしれないと思った。
金持ちばかりが通う、有名私立幼稚園に通っていた。園児の親は芸能人や有名企業の社長、役員が多かった。 幼稚園児の僕は、その事を理解していなかった。自分の世界は標準的なものであり、世界は平らで太陽が地球の周辺を公転していた。 ある日、父親が課長になったと教えてくれた。 幼稚園の僕はとっても誇らしい気持ちになった。 「自分の父親はとっても凄いんだ」と思った。 帰り道、同級生に父が課長になった事を自慢した。 僕らは園児数人で思い思いの事を話し、母親達は彼女たちのコミュニケーショ
僕の恋人は、下らないガールズバンドが大好きだ。 そのガールズバンドの歌詞に共感し、感動する。 彼女のみずみずしいツるりとした肌の下に、そんな貧相な感受性があると思うと、萎えてしまう。 君も、僕の好きなものに反吐が出るのだろうか。 そうであれば良いなと思う。
美しい恋人がいます。 しかし、僕らの愛は冷えてしまっています。 今は長い旅の後の、荷解きの様な期間です。 手は繋ぎます。キスをします。セックスをします。 しかし喘ぎ声は、空っぽの心に虚しく反響します。 僕も彼女もそれに気がつきます。 僕らはより激しく抱き合います。 彼女は、湾曲させた表現で僕を責め立てます。 月の周回軌道を利用して、太陽に進む宇宙船の様な回り道をします。 なので僕は、その言葉の意味にすぐには気がつけません。 帰り道。その真意に、はたと気がつきます。 僕は
転職活動。 私は有能です。御社は最高です。 と、原稿通りにのたまう。 いくつかの企業は、僕の事を将来有望な人材として評価してくれる。 僕は心がグッと重くなる。まるで誰かが僕の心にもたれかかってるんじゃないかと思う。 未来には、いくつもの失態と失望が両手を広げて待っている。 僕はいくら気をつけても、それらを避ける事は出来ない。必要のない失敗までしてしまう。 面接官(未来の上司)を憎む様になる。 同様に面接官も僕を恨む様になる。 僕は自分に失望する。 会社を何回かサボる。
僕が殴ってやったアイツは数が知れない。 学生時代の同級生。 上司、同僚。 時には、恋人や両親。 そのイメージが脳に強烈に浮かぶ時には、頭の前方がポーっと発光する様に、熱を発しているのが分かる。 脳科学者は「それはアドレナリンを優位にして、大きなストレスに抗おうとしています。」と訳知り顔で答えるだろう。 エビデンスやら社会的地位で、僕を殴るのはやめてくれ。 「あぁ死にて」 と呟き。心の毒を吐き出す。 言霊とかスピリチュアルで、僕に後ろ指指すのはやめてくれ。 スピリチュアル
僕は不安な事があると、すぐに眠れなくなってしまう。 僕は三鷹の部屋で一生懸命目を閉じるのだけど、どうにも眠れない。 眠れないなぁと思っていると部屋の中の薄い光が気になってくる。 WIFIのルーターがピコピコと一定のリズムで光っている。 スマホの充電アダプタが微かに光っている。 僕はソロソロと布団から抜け出して、押し入れからマスキングテープを引っ張りだしてくる。そして点滅する電化製品にマスキングテープを貼っていく。光が漏れない様に、三重くらに重ねて貼る。 電気を消して、部
走っている。いくらスピードを上げても息が切れない、苦しくならない。 僕はどんどんとスピードを上げる。 街行く人が僕に注目する。街を爆走する僕を、物珍しそうに見ている。 ブツブツと念仏を唱える青年が目に入る。彼だけが僕に注目しない。 彼を追い越す際、僕はまじまじと彼を見つめる。硬そうな髪は短く揃えられていて、ところどころ十円ハゲができているのが目立つ。身体は痩せこけていて、過度に肩に力が入っている様に見える。 彼は瞬間的に振り返り、僕を怯えた目で見つめてくる。 僕もどちらか
大谷翔平の成功を見ると、自分の立場や人生に焦燥感を覚える。 彼のような天才が順調に進む中で、自分はいつまで経っても同じ場所に立ち尽くしているように感じる。 その焦燥感と同時に、自分がどれほど未熟であるかと自覚してしまう。 それにテレビや家族、社会からの大谷翔平への称賛の声を耳にするたびに、自分の地味な存在を思い知らされる。 大谷はヒーローのように持ち上げられているのに対し、自分はただの普通の人間だという実感が湧いてくる。 このような状況に直面すると、ますます焦燥感が増し、自