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「また明日と詠うから。」星街すいせい『Orbital Period』への解釈

お世話になっております。かまたけと申します。私のnoteでは主にホロライブに関する楽曲・MVの個人的な解釈や感想を投稿しています。

今回の記事は2025年2月1日に開催されたHoshimachi Suisei 日本武道館Live SUPERNOVAにて初披露されました『Orbital Period』の解釈になります。

私は現地には行けず、配信で視聴する形になったのですが、まさに彼女の7年間が詰まったライブだったと思います。ライブの感想を少し。

個人的には「実家のような安心感のある」ライブでした。3rdアルバム『新星目録』や今回のライブは「革命」をテーマにしたものでした。そうしたテーマから彼女のバーチャルアイドルとして歌い続けていく覚悟や色んなものを振り切って進み続ける強さを感じていました。

しかし、ライブの後半からでしょうか。初期衣装での登場、『COMET』や『キラメキライダー☆』と言ったギラギラではなくキラキラなセットリスト、ホロライブメンバーからのメッセージ。

それらを見て「どれだけ強くなっても、星街すいせいの心の真ん中にはホロライブと星詠み(ファンの愛称)がいるんだ。」と厄介オタクのように実家のような安心感を覚えました。

色々なライブに出演し、『ビビデバ』で1億回再生突破を記録し、日本武道館に立つことになっても彼女は彼女。

様々な景色を見て、今星街すいせいは何を感じているのか。その想いが込められているのが『Orbital Period』だと思っています。

それではどうぞよろしくお願いします。


はじめに

楽曲紹介『Orbital Period』

Vocal:星街すいせい
Composed by:古川本舗
Lyrics by:古川本舗
Arranged by:古川本舗 / 和音正人
Mixed by:檜谷瞬六
Guitar:ナノウ
Bass:二村学
Strings:
1st Vl 金子昌憲
2nd Vl /solo 武内香澄
Vla 澤田香萌
Vc 太田陽子

MV staff Animation team by:Nerve.Co., Ltd.(Degarashi / どら米 / まかつきゅう / Haruka.O)
Video by:利波雷
Character Design by:スズキハルカ

YouTube Orbital Period/星街すいせい(official)から引用

本作品は2025年2月1日に開催されたHoshimachi Suisei 日本武道館Live SUPERNOVAにて初披露された楽曲になります。その後、2025年2月2日にYouTubeにて公開されました。この公開日、公転周期の関係で124年ぶりにズレた節分と同じ日付になっています。これは意図的だったのか…?

Orbitalの形容詞的意味は「軌道の、環状の」名詞だと「軌道」になります。Periodの意味は「終わり、期間、時間や周期」を指します。

この楽曲は「星街の喉の調子が悪くなり、歌うのが嫌いになった時期があった。それでも音楽って楽しいかもと思えるようになった。そんな私にこれからも着いてきてくれますか?」といったメッセージが込められています。このメッセージについてはぜひこちらの配信の1:09:03からご覧ください。

振り返り配信では「Amimerさんの『カタオモイ』のようなコンセプトでいきたい」と作曲を担当した古川さんに伝えたみたいです。「高い声も出せずに思い通り歌えない それでもうなずきながら一緒に 歌ってくれるかな」という歌詞はまさに、今回の『Orbital Period』とマッチしています。

喉の調子が治らず、今も悩んでいる。上手く歌えないことがストレスに感じることもあった。これからもそんな日々が続くかもしれない。「それでも私に着いてきてくれますか?」と想いを打ち明けたこと。それこそが星街すいせいにとっての『革命』だったのかもしれません。

そんな等身大の星街すいせいを歌う『Orbital Period』
いったいどんな楽曲なのでしょうか。一緒に深堀していきましょう。


また明日

星に願いを

Orbital Period/星街すいせい(official)0:07

ねぇ、本当は今もまだ、震えているんだよ。
どんなに大きな拍手も聞こえない位。
汗ばんた手、握りしめ、息を吸い込んだら
今は、この景色を只、信じることにした。

ねぇ、本当は今もまだ、震えているんだよ。」という歌詞から始まるこの楽曲はリスナーに向けた手紙のような美しさがあります。MVも冒頭は便箋に歌詞が綴られているような演出になっています。

ツアーも経験した、フェスにも出演した、彼女の歌を認める人が増えた。日本武道館という夢の舞台に立った今、それでも止まらない「震え」。お客さんの拍手も聞こえないぐらい何かに怯えている。

その「怯え」をかき消すように、今はこの景色を信じることにした。

ステージに立つ前や立った瞬間の彼女を想像することができる歌詞です。実はこういうことを思っていたのかと「弱さ」を隠さずに歌で伝えてくれることが、ファンにとっては嬉しいことなのかもしれません。

Orbital Period/星街すいせい(official)1:07

ねぇ、目を閉じて。
この瞬間を心に刻もう。
そして 僕の歌と、君の声で
この夜の終わりを飾るよ。

ねぇ、目を閉じて。この瞬間を心に刻もう。」は星に願い事をしているような歌詞になっていて素敵だと感じました。この瞬間を刻む理由には「今日という日を忘れないようにする」ことへの願い・おまじないのようにも感じます。

そして 僕の歌と、君の声で この夜の終わりを飾るよ。」はライブがあったその日の終わりを感じさせる歌詞になっています。「飾る」という表現がファンと一緒に今日1日の思い出を特別なものにしようとする気持ちが伝わってきます。

Orbital Period/星街すいせい(official)1:21

星の夜。街に響いた歌が
君の声と今、混ざり合うなら
どうか声よ、どうか声よ 枯れないで。
あと少しだけでいいんだ!
あと少しで届くんだ。

君の声と今、混ざり合うなら」は「一緒に歌えるなら」や「そこに私の歌を聴いてくれる人がいるなら」という意味が込められていると思いました。

この「どうか声よ、どうか声よ 枯れないで。」が楽曲を聴くと本当に切ない気持ちになり、星に願うように歌っているのを感じます。

MVを見ても途中から星街の瞳に彗星が流れていく視点になっています。これは彼女自身が「歌を届けたい」と星に願っている構図になっているのではないかと考えました。


約束

Orbital Period/星街すいせい(official)1:53

ねぇ、いつか ここで星を見上げよう。
今日の事を笑おう。

ねぇ、いつか ここで星を見上げよう。」の「いつか」という歌詞。この歌詞から「これから」を感じられます。

今回の楽曲は「たとえ声が枯れてしまった明日が来てしまっても、着いてきて欲しい。」というメッセージが込められています。そうした気持ちから続きを思わせる「いつか」というワードが含まれていると思いました。

「今日の事」とは何のことでしょうか。ここは色んな予想ができると思います。個人的な解釈としては「声が思うように出ず、上手く歌えなかった日」だと考えています。

そんな日を星の下で笑えたらいいよね」という約束のようなニュアンスがあると思いました。

Orbital Period/星街すいせい(official)2:11

そして 君の声で、君の拍手で、
この夜の続きを聞かせてくれ。
途切れ無く響く声を!

この夜の続き」はライブのことだと思いました。リスナーが歌を聴いてくれる限り、この夜は続く。そう解釈しました。

途切れ無く響く声を!」の「声」は星街の歌声であり、私たちリスナーの声援でもあると思いました。

どれだけ声がかすれて行ってしまっても、私たちはあなたの努力とその過程を知っている。全てを理解できているわけではないけど、配信を通して喜びや悔しさは分け合ってきた。

だからきっと、ファンである「あなた」の声援も舞台に立つ「星街すいせい」の歌声も途切れてしまうことはないと思います。


星座の意味(番外編)

Orbital Period/星街すいせい(official)2:11

MVで気になったのがこの2つの星座です。右からうお座おひつじ座になります。この2つの星座を入れた意味を考えてみました。

それぞれ西洋占星術では、うお座は2月19日~3月20日までの人の誕生日に当てはまり、おひつじ座は3月21日~4月19日までの人の誕生日に当てはまります。

恐らくですが、これらの星座を選んだ理由は①復帰配信日が2023年2月26日であること②初配信日・誕生日が3月22日であること。この2つが関係しているのではないかと考えました。

2月26日と3月22日はうお座とおひつじ座に当てはまる日付であり、配信内容が誕生・復帰という意味合いから2つの誕生日月星座を今回MVに入れたのではないかと思いました。

みなさんの考察もぜひ教えてください!!


明日へ

Orbital Period/星街すいせい(official)2:41

彗星が流れて行くのが見えたら、
この景色を思い出して。
それは 君の声で、君の拍手で、
飾られた美しい昨日!

この景色」とはいったいどんな景色なのでしょうか。個人的には私たちが見たライブの景色だと思いました。これは日本武道館であり、これまでの全体フェス、ツアー、1stや2ndライブ。どの一瞬にも当てはまると思います。

その一瞬を「彗星が流れていくのが見えたら」はやはり星街すいせいを連想させる言葉です。先ほどの歌詞にあった「ねぇ、いつか ここで星を見上げよう。」の続きにもなっているようで素敵です。

「それ」はあなたの声や拍手で作ったライブだと歌詞にあります。考えなくても、歌詞に書いていますね(笑)やっぱライブっていいよな…。

Orbital Period/星街すいせい(official)2:59

星の夜。街に響いた歌が
君の声と今、混ざり合うなら
どうか声よ、どうか声よ 枯れないで
あと少しだけでいい!

そして2サビに入ります。ここはYouTubeのコメントに素晴らしい感想が書かれていたので、紹介させてください。

どうか声よ、どうか声よ 枯れないで」は1サビと違っている部分があります。それが1サビが「枯れないで。」に対し、2サビは「枯れないで」とピリオドがないことです。

これについて「ピリオドがない=これからも続く未来...みたいな解釈を武道館でした時は本当に泣きそうになった。」という解釈をしている方がいて、非常に楽曲のコンセプトを捉えた感想だなと思いました。

Orbital Period/星街すいせい(official)3:31

星の夜。明けに向かう空に
手を振ることさえ躊躇ってしまっても、
どうかあなたよ、どうかあなたよ、泣かないで
また明日を歌うから。
また明日と詠うから。

星の夜。明けに向かう空に 手を振ることさえ躊躇ってしまっても、」というフレーズ。要約すると「明日を迎えたくない・明日になってほしくない」というニュアンスだと思いますが、この手の歌詞の中で1番好きな言葉選びだと個人的には思っています。

「星の夜」という星街すいせいをコンセプトや、手を振れないという表現から「うつむいてしまっている」ことを連想させる歌詞。切望を思わせるメロディーも含めて大好きです。

どうかあなたよ、どうかあなたよ、泣かないで」はそのうつむいてしまっているあなたに届けたい言葉なんだと思います。

たとえ明日を迎えたくないとするあなたがいたとしても「また明日を歌うから。また明日と詠うから。」とその弱さ・臆病さ・無力さに寄り添ってくれていると感じます。

その考えを思わせる「また明日と詠うから」という歌詞。「詠う」という漢字を「歌う」にしなかったのはファンである「星詠み」を思ったものだからということは私が言わなくても分かることでしょう。

明日と詠う。これは「明日」と書いて「あなた」と読むのではないでしょうか。ファンであるあなたが声援を送るかぎり、明日がある。あなたあっての明日。そう思うと「明日と歌う」は「あなたと詠う」と解釈しても面白いかもしれません。

Orbital Period/星街すいせい(official)4:06

ねぇ、本当は今もまだ、震えているんだよ。
今日が終わっていく風景も滲んでいく。
汗ばんた手、握りしめ息を吐き出して。
嗚呼、僕は、この景色を只、信じて良かった。

今日が終わっていく風景も滲んでいく。」の「今日」はライブの日だと思いました。今日がどれだけ楽しくても、そこで見た風景は怯えと共に滲んでいってしまう。変わらない明日がやってくる。

汗ばんた手、握りしめ息を吐き出して。嗚呼、僕は、この景色を只、信じて良かった。」は冒頭の歌詞と変わっていることが分かると思います。

この景色」は声援を送るあなたがいる景色なんだと思います。人それぞれに人生がある。辛いこと、悔しいこと、悲しいこと。そういう日々を乗り越えて今日、あなたは星街すいせいに会いに来ている。きっとお互い様なんだと思います。

彼女は「あなた」を見に歌いに来ているし、あなたも「星街すいせい」に声援を届けに会いに来ている。

きっとお互いに思ってる。
嗚呼、僕は、この景色を只、信じて良かった。

明日って言う未来の風景を見るために私たちは今日を生き抜くんだと思う。
そのために、彼女は今日も「声」を届け続ける


おわりに

その軌道は、次の目的地へ

Orbital Period/星街すいせい(official)0:30

『Orbital Period』への解釈、いかがでしたでしょうか。作詞は古川さんですが、所々の表現に星街すいせいらしさを感じられて、非常に書いていて楽しかったです。というか古川さんの表現力を見習いたい…。

今の彼女が伝えたい言葉が全て詰まった楽曲だったなと個人的には思いました。私にとって星街すいせいは推しではなく、「憧れの人」なんですよね。

自己プロデュースが上手くて、自信たっぷりで、意見もちゃんと言えて、自分で自分の道を切り開いて行ける人。いつだってステージに立つ準備ができている。そういう所に憧れを感じます。

ですが、今回の楽曲は自分1人では叶わない「願い」を歌った楽曲でした。夢は自分で叶えるものと歌で体現している彼女がです。

その「願い」が「たとえ声が枯れてしまっても着いてきて欲しい」というファンに願うものでした。

その着いていった先の目的地は東京ドームでのライブです。そのキャパ5万5000人。どうやら『Orbital Period』のジャケットにもそれを思わせるヒントがあるとか…?

今の彼女なら埋められます。それまでの軌跡を私たちはきっと観測していくのでしょう。

ということで今回は以上となります。また明日!!ありがとうございました!!









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