映画『アリスとテレスのまぼろし工場』感想※ネタバレ注意
あの頃にもう一度、シンクロして、今の状況を打壊したいよ。
映画を作られた皆さん、本当にありがとうございます!!!
* * *
【以下、ネタバレ&感想】
観終わった後に、壮大な感動とともに、
「…そう言えば題名の『アリス』と『テレス』が、登場人物の名前ではなく、どこからこのネーミングがわいたのか?笑」
と、疑問の残るぶっ飛んだ映画だった。
にも関わらず、ハイライトでは感情にシンクロできてよく泣けた。
今や普遍的なテーマとなりつつある、
母と娘の確執。親子の愛憎劇。
それが、初めはミステリアスなフィクション設定から展開するうちに、
現実とまぼろしが交錯する世界だったと判明し、
「痛い」けど「居たい」という現実感をもって、私にもまだまだ家族のように、
誰かを愛する気持ちがあることを気づかせてくれた。
恋愛したいな、と、また思った。
そして、もう一つのテーマには、
過疎化して変わらないまま終わっていくように思える閑散とした地域で、
現実に『死にたい』ほどの息苦しさを打壊して、
抜け道となる希望を見い出せるというメッセージが、
爽快なスピード感もあふれながら伝えられていった。
この『愛』と『希望』の2つのテーマを絡ませた、見事な展開の後には、
題名の不可解さも、
まぁ“アカデメイア”を創立した『アリストテレス』の想いを彷彿とさせるから、
良いのかなという気にさえなった。
(そう言えば、まぼろしの中で亡くなった主人公の父が読んでいた漫画に、“ディスメイア”(?)という名前があったっけ…
何か掛けてあったのかな?)
結局、謎解きのために、もう一度観たくなるような映画だった。
個人的には、主人公・正宗のように毎日、
幼少期から10代の半ば頃まで、
絵を描いていたから、すごく自分に宛てられた手紙を読んでいるような気持ちになれた。
今、特に正宗の言うように、私も絵を仕事にしたりしている訳ではない。
しかし、毎日、描いて上手くなって、褒められて喜んでいた。
そうやって生きていた。
うん、そうだった。
不思議と最近も、“片田舎の町で、あんだけ自分は絵を描いてたな”と思い返していたからこそ、
この正宗も映画も、単なる大衆向けの作品とも思えなかった。
この片田舎にいた頃の、まだ打壊するまでの凄まじいエネルギーの爆発力は、
私の中ではまぼろしなんかじゃなかった。
結局、片田舎から中学を卒業して、大都市圏の高校に補欠合格することができて、
飛び出してこれたのだから。
あの頃にもう一度、シンクロして、今の状況を打壊したいよ。
映画を作られた皆さん、本当にありがとうございます!!!
#アリスとテレスのまぼろし工場
#アニメ #映画 #感想 #ネタバレ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?