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sang comme paris

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#小説

Sang comme paris Chapitre 1

その年の秋は、僕にとって、とても忘れられない小さな出来事が起こった。 それはうだるような夏が終わりすこし涼しくなり始めた頃、突然の訃報からはじまった。

     

改札を出ると、喪服をきた人たちがちらちらと目に入った。            知らない顔で階段を下りて駅前の喫煙所に向う。途中、僕も喪服を着ていたのでじろじろと見られる。歩きながらポケットを探ると煙草が切れていることを思い出して立ち

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Sang comme paris Chapitre2

お店の名は『sang comme paris』 フランス語の直訳で「パリは血」という意味だそうだ。オカマバーはこの街に一件しかない。しかももう8年も店を続けている。中は普通のバーと一緒でカウンターがあり、ボックスが何個かある。ホステスは常時4~5人いて、あとはカウンターでお酒を造るバーテンが一人いる。ママは基本カウンターの中にいて接客をしていることが多い。時々昔からの常連さんなどが来ると一緒にお酒

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