グループホームの苦悩
※ここでは、介護保険制度における認知症対応型共同生活介護のことを書いています。
グループホームって聞いたことあると思います。
施設だと思っている方も多いのですが、実際は、えーと、難しいなあ
「入居させ日常的な介護を行う施設」だけど、扱いは「在宅」です。
このあたりのことが、グループホームの存在を複雑化させている原因と考えます。
なんで地域密着型特養はできるのにグループホームはいつまでも在宅扱いなのさ。
グループホームは1ユニット最大9名まで、と規模が小さいため、経営が楽ではありません。
経営が楽ではないのに特養と同じような介護が求められている部分もあります。(特養が楽、と言っているわけではありません)
グループホームは「共同生活」なので、認知症であってもサポートすることでその人らしい生活を継続することができる、というのが本来の姿だと思うのですが、実際は介護度が高く、生活のほとんどに介護を要する方も多く入居されています。
制度上も「生活する」ことを目的としながら「介護を提供する」ことを求めています。
ということなので、介護スタッフが料理をしたりお風呂入れをしたり清掃をしたりでばたばたと走り回り、一番必要な利用者様との関係性の構築がおざなりになっている、という場面も多く見られます。
というか、こういった小規模で濃密なコミュニティを長く継続することによる人間関係の歪みのほうがより顕在化されてしまう場面も多いのではないでしょうか。
あと、グループホームは「楽」だと思って入ってくる方も多いんですが、まあ洗濯だとかトイレ介助だとかは少ないのはその通りなんですけど、「楽」を目的に入ってくる職員って基本的に「楽」をしようとするので結果としてグループホームの質の向上が難しくなってくる、という側面もアリアリです。
どんな仕事もそうでしょうが、特に対人の直接的援助を行う介護の現場では、スタッフ一人ひとりの提供する「価値」にフォーカスするといいのではないかと思います。
ゆっくりと寄り添う人も、テキパキ疾風のごとく仕事をこなす人も、どっちも必要な人材じゃないですか。
ちょっと話題がそれてしまいました。
自分がグループホームに関わっていたこともあって、書けばもっとウジャウジャと出てくるのですが、とりあえずここまでにしておきます。
グループホームは一時期のブームに乗ってあちこちに雨後のタケノコの如く建てられたのですが、昨今の景気後退、人手不足、その他の要因も相まってすごく苦労されているところが多いと思います。
居宅ケアマネとしては、グループホームは「頼りになる行先」なので、頑張ってほしいなあと思う次第でございます。