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[7]コミュニケーション力を磨く。でもそれは、「リア充」とは違う。

美大受験生のほとんどが、将来の「就職」のことも念頭に入れて受験対策をしています。大学受験というのは、その先の自分の一生を左右する大きな影響を与えるイベントですから、それは非常に賢いやり方です。

日本で就職活動をする際に最も評価されるのは「コミュニケーション能力が高いこと」です。就職というのは自分以外の様々な人間と1日の大部分を共にすることになるわけですから、それを企業側が求めてくるのも十分に納得できます。

よく誤解されているのですが、「コミュニケーション能力」とは、よく喋る、とか、話がうまい、とかそういうことを意味しているのではありません。よく喋り、話がうまくてもビジネスの世界では、それだけでは信用されないのです。

本当のコミュニケーション能力というのは、「自分に自信をもっていること」「その自信にちゃんとした根拠があること」「自分の得意分野・不得意を把握し、得意分野をアピールできること」が根底にあります。

だから口数が少なくても、根拠と自信を持って仕事をこなすことのできる人間は評価されます。コミュニケーションはただ単に「喋る」ことを指しているのではありません。「相手とのやりとりがしっかりできる人」ということを意味するのです。

自分の作った作品を見せ、それを評価してもらえれば、これも立派なコミュニケーションです。自分の行動に対して、相手からの反応がしっかり返ってくることが、コミュニケーションで一番大切な部分なのです。

こういった力は、特別入試(総合型選抜・推薦入試・帰国生入試等)の受験対策をすることで磨いていくことができます。

特別入試は、制作した作品を提出して評価を受ける受験形式です。合格のポイントは、「自信を持ち」「自信の根拠を持ち」「得意分野をアピール」です。これは、そのままコミュニケーションの本質的な部分なのです。

美術の世界では「作品制作」でコミュニケーションできるのです。だから美大受験生は、特別入試の受験対策をすることが、そのまま就職活動に有利となるコミュニケーション能力を磨くことにもなります。

一般入試対策だけをやっている受験生は、テクニック重視の受験対策となります。これでは、コミュニケーション能力を磨くことはできないのです。しかも、受験で学んだテクニックは、あくまでも受験用。就職活動では全く役には立たないのです。

特別入試受験対策をした受験生は、特別入試の受験対策で既にやってきたことを、就職活動の際に思い出してください。そうすれば、どのように就職活動を進めていったら良いのかというポジティブなヒントが得られるはずです。

だから私は美大受験生のみなさんに、まずは特別入試での受験対策をしてみることを、強くお勧めしているのです。


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