小説の執筆ツール・アプリを評価!個人的なおすすめ紹介!
小説執筆において、ツール・アプリ選びはクリエイティブなプロセスを左右する重要な要素です。
数多くの選択肢がある中で、どのツール・アプリが自分に合っているのか、判断に迷うことも多いでしょう。
そこで今回は、各ツール・アプリの機能や使いやすさを評価しつつ、どのシおすすめも紹介します。
この記事を書くにあたって実際に様々なツール・アプリを試し、小説執筆に特化したものを厳選しました。
小説執筆ツール・アプリ検討の比較条件
小説執筆ツール・アプリを選ぶ際には、単に文字を書けるだけでなく、使いやすさや機能面での充実度も重要です。そこで、今回の比較では、以下の条件を重視して検証を行いました。
▶︎ 自由度
小説の執筆には個々の作家のスタイルが反映されるため、自由度の高いツール・アプリは大きな利点です。フォーマットの変更やカスタマイズの柔軟性が、どれだけ自分にフィットするかを重要視しました。
▶︎ パソコンとスマホどちらで使えるか
執筆は場所を選ばず進めたいもの。パソコンだけでなく、スマホやタブレットでもスムーズに使えるかどうかを確認しました。
▶︎ 運営元
ツール・アプリを選ぶ際には、信頼性も考慮に入れる必要があります。ツール・アプリが長くサポートされるか、アップデートが継続しているかなど、運営元の信頼性を見ています。
▶︎ 使い勝手やUI
インターフェースが直感的で使いやすいかどうかも、執筆のストレスを減らすためには大切です。複雑すぎず、かつ必要な機能に簡単にアクセスできるUIかを評価しました。
▶︎ 金額
長く使い続けることを考えると、コストパフォーマンスは重要です。無料で使えるツール・アプリもあれば、有料プランを選択することでさらに機能が充実するものもあるため、金額と提供される価値を比較しました。
▶︎ 縦書き可能か
日本語の小説執筆には縦書きが必須の場合も多いです。そのため、縦書きに対応しているかは大きなポイントです。
▶︎ プロットなども作成可能か
小説執筆では、ストーリーの流れやプロットを視覚的に整理する機能があると便利です。これに対応しているかどうかもチェックしました。
▶︎ オフライン使用ができるか
常にネット環境があるとは限りません。そのため、オフラインでも使用可能かどうかは、執筆環境を選ばないための重要な要素です。
▶︎ エクスポートできるか
執筆した作品を他のフォーマットにエクスポートできるかも確認しました。特に、提出や出版に備えて使い勝手の良い形式で出力できることは重要です。
▶︎ 自動保存できるか
作業中の突然のトラブルに備え、自動保存機能があるかどうかも見逃せないポイントです。貴重なアイデアや進捗を失わないために、安心して作業できる機能を確認しました。
▶︎ 複数デバイスで使用できるか
一つのデバイスに依存することなく、複数のデバイス間でシームレスに作業を続けられるかどうかも重要です。パソコンとスマホでデータが同期できるか、効率的な執筆環境を保てるかを確認しました。
検討から外したツール・アプリ
今回は、小説執筆に特化して提供されているツール・アプリのみを対象に比較しています。そのため、Wordのように小説の執筆は可能でも、専門ツール・アプリではないものは比較対象から外しました。
検討から外したけど使えそうなツール・アプリ
Word
一太郎
Google ドキュメント
Notion
Craft
Evernote
idraft
純正メモ
アウトラインプロセッサ
【結論】おすすめの小説執筆ツール・アプリ2選
今回検証した中で、個人的に特におすすめできる小説執筆ツール・アプリは以下の2つです。
Nola
NOVEWRITE
今回検討したツール・アプリは、現代の執筆者にとって使いやすさを重視しています。そのため、UIがあまりに古く、直感的な操作が難しいツールは除外しています。
特に、古いインターフェースや見た目が複雑すぎるツールは、スムーズな執筆体験を妨げるため、評価の対象から外しました。操作感やデザインが、今の執筆スタイルにフィットしているかどうかも選定基準の一つとして重要視しました。
他にもツール・アプリを試してみましたが、最終的にここで紹介している2つと比べると、機能や使い勝手の面で似たものが多く、特に大きな違いを感じなかったため、今回は取り上げるのを見送ることにしました。
会員数50万人のツール・アプリ「Nola」
自由度:△
PC / SPどちらで使えるか:使える
運営元:法人
使い勝手やUI:△
金額:300円/月
縦書き可能か:不可能
プロットなども作成可能か:可能
オフライン使用ができるか:アプリ版のみ可能
エクスポートできるか:可能
自動保存できるか:可能
複数デバイスで使用できるか:可能(同期される)
Nolaは多機能な小説執筆ツール・アプリであり、特にプロットやキャラクター設定など、物語の構築に必要な要素を網羅しています。
多機能ゆえに、使いこなすまでに時間がかかる点があり、ユーザーによっては不要な機能や入力項目が多く感じることもあるかもしれません。
現状、小説執筆に特化したツール・アプリの中では、ほぼ「1強」と言っても過言ではない存在ですが、入力項目が細かく設定されているため、ジャンルによっては使いづらさを感じることもあります。例えば、世界観設定の中には法律や政治に関する項目も含まれており、ミステリー作品を執筆している自分にとっては、やや不必要に感じる部分もありました。
最低限の機能が揃った「NOVEWRITE」
自由度:△
PC / SPどちらで使えるか:使える
運営元:個人
使い勝手やUI:△
金額:250円/月
縦書き可能か:不可能
プロットなども作成可能か:可能
オフライン使用ができるか:アプリ版のみ可能
エクスポートできるか:可能
自動保存できるか:可能
複数デバイスで使用できるか:有料にすれば同期が可能
NOVEWRITEは、Nolaの機能を厳選してシンプルにまとめたような小説執筆ツール・アプリです。基本的な執筆機能に絞っているため、Nolaのように多機能すぎて使いこなすのが難しいというユーザーにとっては、使いやすく感じられるかもしれません。
価格もNolaとほぼ同じ300円で提供されているため、機能の充実度を重視する人には、少し割高に感じられるかもしれませんが、シンプルな使い心地を求める人にはフィットするでしょう。
縦書きできるツール・アプリはない?
縦書きが可能なツールとしては、TATEditorが挙げられますが、正直なところ、個人的には使い勝手が良いと感じませんでした。縦書きができること自体は便利ですが、実際に使ってみると、どうしても自分ならWordを使った方が快適だと感じてしまいます。
そもそも、なぜ縦書き対応のツールやアプリが少ないのか。元エンジニアとして、その理由を解説します。
結論から言うと、縦書き入力は技術的な理由で非常に難しいのです。特にWebベースのサービスの場合、縦書きは不可能です。Web上で縦書きを"ちゃんと"対応しているツールは存在しないはずです。例えば、Googleドライブも縦書きには対応していません。
一方、デスクトップアプリやスマホアプリの場合は、設計次第で縦書き入力が可能になります。ただし、これには非常に多くの開発リソースが必要となり、工数が大幅に増加します。そのため、縦書き対応を重要視しないアプリやツールが多いのが現状です。結果として、縦書きに対応している執筆ツールはごく限られているのです。
結局…Wordが1番?
小説執筆ツール・アプリの比較を進めてきましたが、最終的には「結局Wordが一番便利なのでは?」という声も少なくありません。
特に、新人賞や出版に向けての提出時には、Word形式(.docx)での提出が求められることが多いのが現実です。
そのため、どれだけ執筆に特化したツールを使って下書きを作成しても、最終的にはWordで書式を整える必要が出てきます。提出フォーマットへの変換や調整がスムーズに行えるため、Wordは結果的に避けては通れないツールと言えるでしょう。
ただし、ここで紹介した各ツールは、執筆過程を快適に進めるための便利なサポート役です。特にプロット作成やUIの使いやすさなど、Wordでは難しい作業を効率化できる点で優れています。ですので、最終的な仕上げはWordを使うとしても、執筆の初期段階やアイデア出し、章ごとの整理などには、これらのツールを活用すると良いでしょう。
正直なところ、様々なツールを試した中で「課金してまでも使いたい」と思えるほど使いやすいものは、自分にはありませんでした。
まだ公開されていないものの、今後リリースが予定されている以下のツールには期待しています。