離人症のこと
離人症を聞いたことがありますか。
精神病のひとつで、現実感を感じられない、自分と世界に隔たりがあるような感覚になる病気です。
おそらく私は幼少期から思春期にかけて受けた精神的な傷からこの病気を患いました。
おそらくというのは自分を客観視できる状況ではなかったこと、十数年近くの大部分の記憶が抜け落ちてることからはっきりとわからないからです。
私はここ最近ようやく意識が返ってきました。
1年くらい前だと思います。ゆっくりと昔のことをじわじわと思い出してきて、半年ほど前に状況をお医者さんに話したことからおそらくそうだろうね、と返答をいただきました。
初めて病院に訪れた私が自分のことを他人事のように話していたと言われて少し恥ずかしくなりました。
生きて、活動をしていたのに意識がなかったって変な話だと思います。ただ、なんだかゲームの中にいるような。誰かが私を操作してるようなそんな感覚。
悪意のある言葉を聞いてもその瞬間は理解できない。心に膜が張られて神経を抜き取られたような感覚でした。苦痛に感じないのに胸が痛む。後からああ、あの言葉ってとても悪意に満ちていた。そうやって思い出す日々でした。
どう抜け出したか分かりません。初めて恋をしたからかもしれません。今はお別れしてしまいましたが、大好きな人ができてからなんだか生きてていいような心地になりました。接客業に勤めて半日、知らない人とたくさん話して、動き回って、日々の給料をもらって。そんな日常を生きているうちに人に戻れたんだと思います。
いまだに怒ってる人、大きな声の人、雑踏、たくさんの人の声が不愉快に感じますが生きている感覚はあります。
失った時間を取り戻せませんがどうやって生きるか今考えています。親の脛をかじって、親不孝者で、生きてる価値を日々考えてますが自分のためにどうやって生きるか考えてます。
人として生きる感覚はとても尊いものです。
この記事が誰か苦しみを抱えてる人の目に留まって、苦しみに気づくきっかけになりますように。