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床の間の活用。
床の間がある家というのは、洋室が主流になってきた現在、数はあまり多くないのではないかと思う。
今後もどんどん減っていくのだろう。
【床の間】
どうやら「床の間」というのは俗称であり、本来は「床」という場所がある部屋のことを「床の間」と言うらしい。
現在では広く床の間と呼ばれているのでそのまま使わせてもらおう。
『床の間を背負う』なんて言葉を聞くことがあるが、あれは身分の高い人が背負うものらしい。
私も床の間を背負うに相応しい人間になりたいものだ。
だいたい床の間には掛軸が飾られて、いい感じの花瓶にお花が生けてある情景が親しい。
しかしこの古民家ではそのような趣きが感じられる空間をあまり考えていなかったので、あのぽっかり空いた場所を何かに活用できないかと考えてしまうのだ。
母親に意見を聞いてみると、何か棚を置いてしまって、物置きにすれば良いのではないかと提案を受けた。
私自身は床の間の壁に模造紙を貼って、古民家やその地域だったり、お店だったりのちょっとした思い出をペタペタ貼り付けられる空間になれば面白いのではないかと考えていた。
どちらにしても本来の床の間の使用法とはかけ離れているように思う。
ちょうどまだ活用法を見出せていないカラーボックスがあったので、それを床の間に置いてみた。
悪くない。
何か良さげな読み物も置きたいところだ。
来客者が楽しめる空間づくりを考えていきたい。
模造紙を買ってきて床の間に貼り付けてみた。
そこへ来客者が自由にメモや付箋を貼って楽しめる場所にしてみようと思う。
最近行って良かったお店や場所の話を書いてもらったり、何かの感想とかでも良いし。
自由なスペースである。
手始めに、従姉妹から貰ったキッチン用品の袋に貼ってあった引っ越しお祝いメモを、その模造紙に貼り付けておいた。
現在は、私が欲しいボードゲームの書いたメモも貼り付けてみている。
本当にフリースペースだ。
この床の間が一体どんな場所になるのかは分からないが、子供がシールを貼って空間を埋めたい本能があるように、誰かしらが少しずつこの空白を何かで埋めてくれるかもしれない。
そうではないかもしれないが、
とりあえずは流れに任せてみよう。