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いのちのエンジニア|生命維持管理装置とは
いのちのエンジニア ー 臨床工学技士は医療機器を通じて「いのち」を支える存在です。臨床工学技士が操作や管理をする生命維持管理装置。どのようなイメージを持ちますか?
生命維持管理装置は名前の通り「生命」を「維持」するために必要な医療機器です。生きていくために必要となる機能が低下してしまった人に対して、生命維持管理装置は一時的にその機能を代替します。
ここでは具体的にどのような医療機器を指すのかご紹介します。
1.生命維持管理装置の定義
生命維持管理装置は臨床工学技士法にその定義が定められています。
第二条
この法律で「生命維持管理装置」とは、人の呼吸、循環又は代謝の機能の一部を代替し、又は補助することが目的とされている装置をいう。
さらに、厚生省健康政策局長の通知にて、生命維持管理装置の例が示されました。
第二 臨床工学技士及び生命維持管理装置の定義について
その例としては、人工呼吸器、高気圧治療装置、人工心肺装置、補助循環装置、体外式ペースメーカー、除細動器、血液浄化装置等があること。
2.生命維持管理装置の概要
それでは、いくつかの生命維持管理装置について、その役割を簡単に紹介していきたいと思います。それぞれの詳細はいずれご紹介したいと思っています。
人工呼吸器
呼吸が正常に保てなくなった人に対して、肺へ空気や酸素の出入りを補助、または代行する医療機器です。肺の炎症によって酸素がうまく取り込めなくなってしまったり、全身麻酔によって呼吸するための筋肉が動かない状態の人などに対して使用します。
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人工心肺装置
心臓や大動脈の手術では、一時的に心臓の動きを止める必要があります。この間の血液循環と酸素の取り込みを行い、手術を円滑に進めるための医療機器です。
心臓の手術は大人だけではありません。小さな子どもでも生まれつきの心臓の病気によって、人工心肺装置を用いた心臓手術が必要なことがあります。
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心臓ペースメーカ
心臓は、全体がまとまって収縮、拡張することで血液を送り出す機能を持ちます。心臓が動きだすきっかけを作る部分が正しく機能しなくなると、そのリズムがゆっくりになりすぎてしまいます。
心臓ペースメーカは、心臓の筋肉に微弱な電気を流すことによって、心臓が動き出すきっかけを作りだし、心臓のリズムを正常に整える医療機器です。
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血液浄化装置
腎臓は尿を作ることによって、体内の水分や老廃物を体外に排泄する働きがあります。腎臓が正しく機能しないと、体内の水分が過剰になったり、尿毒症という状態になってしまいます。そこで血液浄化装置は、腎臓の代わりに血液から水分と老廃物を取り除くことで、腎臓の機能を代替するための医療機器です。
血液浄化には腎臓の代わりの他に、病気の原因物質を血液から取り除くアフェレシスと呼ばれる治療法もあります。
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閉鎖式保育器
赤ちゃんは10か月もの間、お母さんのおなかの中で成長してから誕生します。しかし何らかの理由によって、ずいぶん早く生まれてしまうことがあります。体の小さい赤ちゃんは、周りの環境の温度によって体温が低下しやすいという問題があります。
閉鎖式保育器は、内部の温度と湿度を適度に保つことで、赤ちゃんの体温を保持するための医療機器です。さらに、外界から隔離することで、病原菌から赤ちゃんの体を守る働きもあります。
さらに呼吸が自力ではうまくできない場合も多く、新生児用の人工呼吸器も併用されることがあります。
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3.まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました。
今回は、いのちのエンジニア ー 臨床工学技士が操作や管理をする生命維持管理装置について、その例を簡単に紹介しました。どの生命維持管理装置も適切に使用されないと、生命に関わる重要な医療機器です。
いのちのエンジニア ー 臨床工学技士は、日々これらの生命維持管理装置を通じて、ひとの「いのち」を支えています。