若松氏による神谷の「いきがいについて」
「『生きがい』を失っている人を見出し、そして慰めるのは「生きがい」を失い、再び発見した人である」
と神谷は言う。一般的に「苦しい思いをした人は苦しみの渦中にある人を理解できる」というが、そのとき、意味として感じとれるのは、同じ経験をした者同士の分かり合いというものである。上の神谷の言葉はさらにもう一段上の何かをふんわりと包含しているように思う。
私は自分の経験や、自分が負った病を恥じることこそあれ、それが誰かの役に立つなどとは思えなかった。「神がすべてのことを働かせて益とし