前回の続き7
高校総体の県予選大会が始まった。大会は3日間。初日は個人戦の1回戦から3回戦、2日目は4回戦から決勝。そして最終日の3日目に団体戦が行われるスケジュールだった。うちの高校からは8ペアが個人戦にエントリー。期待を背負って、それぞれが試合に挑んだ。
初日の試合を終え、2日目に進んだのはうちのペア、キャプテンペア、副キャプテンペアの3組だけ。他のペアは惜しくも初日で敗退。残った3ペアに大きな期待がかかる中、迎えた2日目の4回戦。この試合に勝てば全国大会出場が決まる。
相手は全国大会常連校のペア。これまで一度も勝てたことのない強敵だ。でも、このときは妙な自信があった。ここまで勝ち進んできた勢いもあったし、負ける気がしなかった。
試合は順調に進み、2ゲームを連取。「あと2ゲーム取れば全国大会」という場面。だが、この「全国大会」という意識がプレッシャーになった。守りに入ったプレーで自分たちのペースを崩し、相手に逆転されてしまう。ゲームカウント2-3で敗北。全国大会への夢は途絶えた。
試合後、泣きながら先輩に「すいません」と何度も謝ったが、先輩は「団体戦がある。気持ちを切り替えよう」と肩を抱いて励ましてくれた。その言葉に救われた気がした。
翌日からは団体戦がスタート。1回戦の相手は何度も練習試合をしたことがある学校。試合の流れも分かっていたので、1番手と2番手が順調に勝利。3番手のうちのペアは試合せずに勝ち上がった。
続く2回戦の相手には、個人戦で全国大会出場を決めたペアがいた。そのペアは2番手に出場。1番手のキャプテンペアが勝利し、次を取れば勝ち抜けという状況だったが、副キャプテンペアが惜敗。勝敗は3番手のうちのペアに託されることになった。
副キャプテンから「頼む」と声をかけられ、コートに立った。不思議とプレッシャーはなく、相手の動きが見えているような感覚だった。結果、4-0で圧勝。この試合は自分でも驚くほど良いプレーができたと思う。
3回戦の相手は県内でもトップクラスの強豪校。1番手のキャプテンペアが惜しくも敗れた後、うちのペアの試合が始まった。同時に副キャプテンペアも試合をしていたが、副キャプテンペアが敗北。これで試合は途中で打ち切りとなり、団体戦での挑戦が終わった。
大会終了後のミーティングで、先輩が「お前とペアを組めて良かった」と言ってくれた。その言葉に涙が止まらなかった。先輩に感謝を伝え、次は自分たちの代で結果を出そうと心に決めた。
今回はここまでです
最後まで読んでいただきありがとうございます
次回も読んでいただけると嬉しいです